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(今日は国内二位の高校と試合するのかー・・)
私は緊張を促すため、お手洗いに行っていた帰り、ぼーっとしていたせいか誰かにぶつかってしまった。
『す、すみません!』
咄嗟に謝りその人を見上げると、驚きで声を上げた。
『あっ!稲荷崎の…』
その人稲荷崎の金髪の人、たしか宮侑、という人だった。
しかし、昨日余裕そうに手を振っていたのは違い、顔を真っ赤にして固まっていた。
『あ、あのー?』
『大丈夫ですか?』
『み…侑さん?』
声をかけても全く返事をしない。諦めて歩きだそうとすると、やっと口を開いてくれた。
「か、」
『か?』
「かっ、彼氏おりますか…?!」
『えっ…い、いません!』
(急に何だこの人…)
「…!ほなっ、俺の事どう思います?!」
『ど、どうって…』
「率直な…見た目とか!」
『…えーと、かっこいい、と思いますよ』
「え!!ほんま??!!」
突如として大きい声を上げる侑さんに私はかなり驚いたが、会話を続ける。
『は、はい!』
『双子…でしたよね。そっくりだけどちょっぴり違うんですね!』
「せや…ヒイッ?!」
侑さんが突然怯えたような声を出した。
『? どうしました?』
侑さんが私の後ろを見て怯えている。私が振り向くと、同じ稲荷崎のジャージをきた白と黒の髪の人がたっていた。
『わっ!』
「侑。何やってんねん。」
侑さんは真っ青に震えているだけだ。
『あの…』
(大きいな…)
「ああ、すまへんな。うちのが迷惑かけて。」
『い、いえ!大丈夫です!』
『むしろ私がぶつかってしまったみたいな…』
「侑、こんなちっちゃい子にぶつかったん?」
「ハ、ハイ」
『えと、ほんとすみませんでした。』
「悪いのはコイツや。…礼儀正しい子やな。」
『? ありがとうございます…?』
「おい侑、行くで。」
「ハイ」
侑さんは引きづられながら、涙目で叫ぶ。
「君、お名前はー!、」
『にっ西川ゆりです!』
「あんがとう!試合は負けへんからな!」
『はい!』
そう言って侑さんたちは居なくなった。
「ゆりちゃんか…」
「き、北さん?」
「侑がかわええ言うとったのはあの子か?」
「そうですけど…なぜそれを…」
「ほーん…確かに」
「え?」
「可愛ええなぁ、」
稲荷崎との試合が終わり、私が清水先輩とベンチで片付けをしていると、突然清水先輩が何かを睨んだ。
私が何かと清水先輩が向いている方をむくと、そこにはリエーフがニヤニヤしながら立っていた。
(あれ、なんでいるの)
恐らく清水先輩はまたナンパとかだと思って威嚇してくれているのだろう。私は急いでリエーフの方へ向かう。
『ちょ、リエーフなんでいるの!』
「なんでって、お祝い!」
「そんで、次は俺たちと戦うの!」
『そうなの?ひぇー・・・』
『リエーフたち強いんだよね…』
「ま!俺たちが勝つしな!」
『ちょっとー?』
『ていうか、用はそれだけ?』
「あ、あともういっこ!」
「連絡先聞き忘れてたなーって」
『まさか…清水先輩?』
『だめですー!清水先輩はみんなのもの!』
「笑 違うよ笑」
「西川の!」
『私…?なぜに…?』
「え、もしかして、西川って仲良い人としか交換してくれない?」
『いや、そうじゃない…』
『それに、もう仲良いじゃん』
「! じゃ!交換しよ!」
『え、はい…』
「ありがとー!じゃーなー!」
『う、うん』
そう言ってリエーフははしっていった。
(なんで私…?)
私はそう疑問に思いながら、作業に戻った。
<続く>