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ゆんしょ
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照の言葉に、辰哉は何も返せなかった。
期間未定。
その四文字が頭の中で何度も繰り返される。
五年前も、仕事がきっかけだった。
だからこそ、怖かった。
────────
翌朝。
オフィス。
いつもなら「おはよう」と笑い合う二人だったが、この日は少しだけぎこちなかった。
照も、まだ正式な辞令ではないから何も言えない。
辰哉も、何を言えばいいのか分からない。
そんな空気のまま午前中が過ぎていく。
────────
昼休み。
照は人の少ない会議室へ辰哉を呼んだ。
💛「少し話せる?」
💜「……うん」
ドアが閉まる。
照は椅子には座らず、辰哉の前に立った。
💛「昨日のことだけど」
💜「うん」
💛「まだ決まったわけじゃない」
💛「だから不安にさせたくなくて、昨日は詳しく話せなかった」
辰哉は静かに聞いている。
💛「でも一つだけ約束する」
照は真っ直ぐ辰哉を見る。
💛「もし異動になっても」
💛「別れるなんて選択はしない」
その言葉は迷いがなかった。
💜「……照」
💛「五年前とは違う」
💛「今回は逃げない」
💛「辰哉も一人にしない」
辰哉は少し笑う。
💜「俺も」
💜「もう”別れた方が相手のため”なんて考えない」
💛「それでいい」
────────
その日の夕方。
部長から呼び出しが入る。
「照、ちょっといいか」
会議室へ入る照。
辰哉はデスクからその背中を見送る。
十五分後。
照が戻ってきた。
表情は読めない。
辰哉の胸がざわつく。
終業後。
二人は会社近くの公園へ向かった。
人気のないベンチ。
照が静かに口を開く。
💛「正式に決まった」
辰哉は息をのむ。
💛「来月から本社勤務」
💜「……」
💛「でも」
照は一枚の書類を取り出した。
💛「条件を一つ出した」
💜「条件?」
💛「半年後」
💛「今の支社へ戻ることを前提に引き受けるって」
辰哉は驚いた。
💜「そんなことできるの?」
💛「かなり揉めた」
💛「でも認めてもらえた」
辰哉は思わず照を見る。
💜「そこまでして……」
照は少し笑う。
💛「帰ってくる場所があるから頑張れる」
💛「その場所に辰哉がいるから」
辰哉は目を潤ませる。
💜「そんなこと言われたら」
💜「待つしかないじゃん」
💛「待っててくれる?」
💜「もちろん」
辰哉は迷わず答えた。
💜「半年なんて」
💜「五年に比べたら、あっという間だよ」
照はその言葉を聞いて、小さく笑った。
💛「確かに」
────────
夕焼けの空。
二人は並んで歩き始める。
離れることは決まった。
でも。
終わることは決まっていない。
今度は、お互いが同じ未来を見ている。
だからきっと大丈夫。
そう思えた。
しかしその夜。
照のスマホに、一通のメールが届く。
件名は、
「本社勤務に関する追加事項」
照がメールを開くと、その表情がゆっくり曇っていく。
そこに書かれていた一文は、二人の予定を大きく変える内容だった。
コメント
1件
うわ、第17話読み終えた……!照の「別れるなんて選択はしない」ってセリフ、めっちゃ刺さったわ。五年前のトラウマを二人で乗り越えようとしてる感じが泣ける。辰哉も「待つしかないじゃん」って返すところ、関係がちゃんと成長してるのが伝わってきた。で、ラストの追加事項のメール……また波乱かよ!次回どうなるか気になりすぎる🔥