俺としょっぴーは、ずっと仲が良い。
グループの中でも特に気の置けない友人関係で、気楽な存在だ。
お互いに特別な感情を抱いた事はなく、恋愛相談もしてきたし、やましい事は何もない。
だから、俺に阿部ちゃん、しょっぴーに岩本くんというパートナーがそれぞれできた後も変わらず頻繁に遊んでいたし、一緒にいる時でも電話して長話する事もあった。
時々パートナーがそれに対して口を挟んできても、心配させるような関係ではないからと言ってきた。
それが俺としょっぴーの、当たり前だった。
💙『めめ。今日阿部ちゃん来る?』
🖤「今日?ドラマの撮影で遅くなるから来ないって言ってたけど」
💙『今からそっち行く』
しょっぴーから電話があった。
岩本くんと喧嘩でもしたんだろうかと思うけど、声がいつもの拗ねているのとは違い少し切羽詰まっている。
とりあえずゆっくり話を聞くことにした。
到着したしょっぴーはフードをかぶってマスクもして顔を隠していた。
移動中にもう泣いていたらしい。玄関に入るなり座り込んでしまった。
🖤「なに、どうした?立って」
腕を引っ張るけど首を振って泣くばかりだ。これはただ事じゃない。
🖤「わかった、話せるようになったらでいいから。水持ってくるね」
立ち上がろうとした俺の袖が引っ張られる。
💙「ここ、いて」
震えた小さな声がした。
🖤「しょっぴー」
💙「いて」
言われるままもう一度座り、そのままただしょっぴーに寄り添った。
どれくらい経っただろう。
💙「悪い」
しょっぴーが立ち上がる。
帰るのかと思いきや、サンダルを脱いで家にあがり『水ちょうだい』と言いながらリビングに歩いて行った。
💙「こないだ、めめと出かけたろ。照にめちゃくちゃ怒られた」
🖤「それだけ?」
💙「前から嫌だったって…」
付き合う前から俺とめめはこんなんだし阿部ちゃんは何も言わないだろ、と言ったけど『わからないならもういい、帰れ』と言われて半ば追い出され気味に岩本くんの家を出てきたのだと言う。
💙「照だってその日、筋トレ仲間と遊んでたくせに」
🖤「そっか。仲直りしたいの?」
💙「わからん、俺フラれるかもだし」
もういい、めんどくさい…と俺の横でソファに身体を投げ出し、またぐずぐずと鼻をすすり出して今度はそのまま寝てしまった。
身体が緩んで、こっちに倒れてきたので抱きとめる。
色白だけど落ち込んでいるせいか顔が青白いくらいに感じる。
泣き腫らした目の周りと鼻の頭は真っ赤になって、ここに来るまでに涙を堪らえようと相当目を擦ったのか少し荒れていた。
🖤「可哀想に」
岩本くんが嫉妬深いのは知っていたけど、何を今更という気持ちもある。
しょっぴーが言うように、俺たちは変わらず友人関係を続けているだけなのに。
玄関に入った時の崩れぶりを見たから、眠ったのを見たら少し安心した。
腕の中で寝息をたてるしょっぴーを撫でていたら、突然リビングのドアが開いた。
💚「めめ?玄関開いて…た……よ」
来ないと言っていたはずの阿部ちゃんが、そこに立っていた。
コメント
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めめなべ仲良しだよね。読み返し✖️何回目かわからんw