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新学期から数日後。
ホームルーム。
「今日は席替えするぞー」
先生の一言で、教室が一気にざわつく。
「やった!」
「窓側がいい!」
勇斗も楽しそうに笑う。
「運ゲーだなこれ」
くじを引いて、自分の番号を見る。
「…あ、前の方だ」
席を探して歩く。
その時。
「…あ」
すでに座っていた人物と目が合う。
仁人。
勇斗が自分の紙を見る。
もう一回席を見る。
「……隣じゃん」
仁人も少し驚いた顔をする。
「本当だ」
勇斗が椅子を引く。
「よろしく、隣の人」
冗談っぽく言う。
仁人は少しだけ笑う。
「よろしく」
授業が始まる。
でも。
勇斗はふと隣を見る。
仁人はノートを取っている。
字がすごく綺麗。
「……すげえ」
思わず小声で言う。
仁人が少し顔を上げる。
「何?」
「字、めっちゃ綺麗」
仁人は少し照れた顔をする。
「普通だよ」
勇斗は笑う。
「いや普通じゃないって」
そのままノートを覗く。
仁人が少し慌てる。
「ちょっと」
「いいじゃん」
勇斗は楽しそう。
授業中なのに、二人は小声で笑う。
先生が黒板を書く音の中で。
仁人はふと思う。
「…隣、勇斗でよかったかも」
勇斗も思っていた。
「仁人、話すと面白いな」
まだ恋じゃない。
気づいてないだけで、
少しずつ。
距離は近づいていた。
ED
5