テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
あい
あい
86
コメント
1件
と言っても、こっちでは動くんですけどね、と言うことをお知らせします(?)
どうぞ。
昼休み。
教室はいつもより騒がしい。
勇斗は机に座りながらパンを食べていた。
その時。
「勇斗ー!」
クラスの女子が手を振る。
「ちょっと来て!」
「え?」
勇斗はパンを持ったまま立つ。
「何?」
女子が少し照れながら言う。
「この問題わかる?」
数学のプリント。
「なんだ、勉強か」
勇斗は笑う。
「こここうだよ」
女子は嬉しそうに笑う。
「さすが!」
その様子を——
少し離れた席から見ていた人がいた。
仁人。
仁人はペンを止める。
「……仲いいな」
女子は楽しそうに話している。
勇斗も笑っている。
仁人はノートに目を落とす。
「好きな人、いるのかな」
小さくそう思う。
その頃。
勇斗は席に戻る途中。
教室の後ろで立ち止まる。
仁人が女子と話していた。
「ありがとう、仁人」
「全然いいよ」
女子は嬉しそう。
仁人は少し笑っている。
勇斗は一瞬止まる。
「……仲いいな」
胸が少しだけモヤっとする。
「好きな人、いるのかな」
同じことを思っていた。
勇斗は席に戻る。
仁人も席に戻る。
そして。
二人同時に、隣を見る。
少しだけ目が合う。
でも。
どちらもすぐ目をそらす。
「……」
「……」
さっきまで普通だった空気が、
少しだけぎこちない。
二人とも気づいていない。
このモヤモヤの正体が、
「好き」だということに。
ED