テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
そうして、宿屋の建設が始まり、私はその日もエステルームで使う美容クリームの開発にいそしんでいた。
薔薇の花びらからエキスを抽出し、美容クリームと混ぜた薔薇クリーム。
アロエクリーム。
茶葉クリーム。
ラベンダークリーム。
ハトムギクリーム。
黒豆クリーム。
よもぎクリーム。
7種類の美容クリームを開発し、来る日も来る日も改良を重ねていった。
♦︎
1ヶ月後。
エステルームを完備した、美の宿屋は大人気となり、エステに通う為、王族・貴族までもがセイラの地にやって来た。
特に人気だったのは、薔薇クリームとハトムギクリームだった。
こうして、セイラの地は畑も豊作だし、卵焼き店はあるし、カレー店はあるし、美の宿屋は大儲けだし、で、大陸でも有名になり始めていた。
しかし、私とゼルゼディス様はお陰で、お店の管理者として忙しくなり、2人で手分けして、畑やら、宿屋やら、卵焼き店やら、カレー店の経営管理をしなくてはならなかった。
帰って来る時間もバラバラなので、1人で夕食を食べる事も増えた。
もう、ゼルゼディス様は貧乏では無かったが、2人で一緒にいる時間が減ったのは、とても残念だった。
♦︎
そんなある日…
「今日は、カレー店の厨房に…」
私は薄く化粧して、髪を纏めながら言う。
しかし、ゼルゼディス様が後ろから、私に絡みついてきて言った。
「今日くらい休日にしませんか?
1日くらい店を放っておいても、誰も死にはしませんよ。」
ゼルゼディス様は背後から私を抱きしめ、うなじにキスを落としながら言った。
「休みって…
じゃあ、何をしますの?」
私はゼルゼディス様の手を軽くつねって腕の中から逃れると、そう言った。
「ベッドで大人の遊び…
と言いたい所ですけどね。
せっかく天気も良いのですから、デートしませんか?」
ゼルゼディス様は言った。
「デート…
それは良いですわね!
でも、どこに行きますの?」
「王都にお買い物に行きましょうか?」
「えぇ!」
という訳で私たちはメゾドリックさんに乗って王都に向かい、色んなお店を見て回ることにした。
お金はあるので、ついつい買いすぎてしまったが、まぁたまには良いだろう。
私はワンピースを何着か買い、ゼルゼディス様はおそろいのイニシャルのペンダントを買おうと言った。
私がEで、ゼルゼディス様がZだ。
久しぶりのデートはとても楽しく、私たちはその休日を思い切りエンジョイした。
しかし、そんな平和でラブラブの日々に、黒い影が落ちようとしていたのを私たちは知らなかった。