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もうすぐ世にふたつとないほど美しい顔面を持つエドマンド・ハリントン=スミス氏の誕生日だ。
装飾品の準備や、彼の大好きなイチゴタルト(限定)の手配も済ませた。残すは…
プレゼント問題
…正直言って、俺はエドマンドに何を贈ればいいか計りかねている。
去年、 虎皮絨毯を贈ったら
「センスないです」
とまるで愚かしいものを見るような目で言われてしまった。
…かっこいいしセンス抜群だと思うんだけどな、虎皮絨毯。
なにがともあれ、その時エドマンドに、ありがたいですがマシなものをお願いします、と言われてしまったのである。マシなプレゼントってなんだよ。抽象的すぎるだろ。
「何か悩み事ですか。らしくないですね」
腹立つぐらい綺麗な顔でそう言われた。らしくないって何だよ、失礼だな。
そうだ、わからないなら知ればいい。以前彼はこう教えてくれた。
「なんか最近困ってることないわけ?」
「ないです」
「嘘だ」
「なぜ嘘をつく必要が。本当にないです。そのような軽口を叩けるのでしたらもう十分ですね。仕事に戻ります。」
何それ理不尽。人が本気で悩んでんのに。
何とも言えない沈黙に耐えかねて、俺は机の上を爪先でコツコツと鳴らした。
あ、そう言えば。昔父が母のプレゼントに花束を渡していた気がする。大きな赤い薔薇の花束。
お?これ正解では?
「好きな花なに」
少しの沈黙。だが、先ほどの沈黙よりかは幾分か息がしやすい。
「オキシペタルムと言う花は存じますか」
「知らない」
「でしょうね。オキシペタルム、通称ブルースターと呼ばれる花です。花弁が星のように見えることからそのような名称がつきました」
「へー」
「一般的に恋…」
よし買ってこよ。ブルースターだな、覚えたぞ。
今回はきっと失敗しない。そんな自信が俺を包んだ。