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萩原なちち
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「いいの。しゅうとは気持ちよくなってるだけでいいから」
「だって、ずっと触りたかったんですもん。だいきさんのこと」
「……そんな風には、全然見えなかったけどな」
しゅうとから贈られる、羽毛が触れるような可愛いキス。
そっと、俺自身に触れてくる指先。
ぎこちなくて、もどかしくて――。でも、そこから溢れ出すような愛しさに、胸がいっぱいになる。
「……好きだよ、しゅうと」
ふっと力が抜けて、彼の肩に額を預ける。
あまりの心地よさに、このまま意識が溶けてしまいそうだ。
「……ふふっ、だいきさん寝てません?」
「なんか、気持ちよすぎて……一回、ベッド行かない?」
「いいですよ。今日も疲れましたもんね? このまま一緒に寝ましょうか」
「やだよぉ。今は寝るより、しゅうととしたいの」
「だいきさんは、ほんまに……わがままやなぁ」
子供をあやすみたいに頬を軽くつねられて、なんだか無性に恥ずかしくなった。
しゅうとの優しいマッサージのおかげで、強張っていた心も体もすっかりほぐれている。
俺、誰かにこんなに甘えることができるんだな。
「……さっむ!! 無理無理、凍死するわ!!」
「ほら、髪乾かしますよ! 風邪ひく!」
「あとで! とりあえず布団入らせてよ、お母さん!」
「誰がお母さんやねん! ほんまにもぉ!」
少し濡れた髪のままベッドに潜り込んだ俺を、ドライヤーを手にしたしゅうとが追いかけてくる。
捕まってたまるかとドライヤーを奪い取り、そのまま彼をベッドの中へ引きずり込んだ。
「ちょっ、布団濡れるの嫌なんですけど!」
「大丈夫。今から出す熱ですぐ乾くから」
「体、どういう構造してんの」
二人でキャッキャと騒ぎながら、毛布の中でもつれ合う。
なんだろう、これ。今まで生きてきた30年間の中で、ダントツで「超ウルトラスーパー」楽しいんだけど!
唇、首筋、そして胸元へ。
甘く、深く、吸い付くように口付ける。
しゅうともこの状況に慣れてきたのか、真似するように俺に触れ、嬉しそうに笑った。
「……なぁ、しゅうとのこれ食っていい?」
「そんな下品な質問あります……っ?」
「えー、確認とられるの興奮しない?」
「どんな性癖やねん……っ」
軽口を叩きながらも、我慢できずにしゅうとの中心を口に含んだ。
……あぁ、かわいい。
お口の中にぴったり収まってしまうほど、細くて、綺麗で。
女の子にこれが付いていたら、きっとこんな感じなんだろうな……なんて、不謹慎な想像がよぎる。
「だめですぅ、だいきさん……っ、気持ちよすぎて……!」
わざと『ポンッ』と音を立てて解放すると、しゅうとがブルリと震えた。
よし、いい感じ。
そのまま手で優しく愛撫しながら、後ろの蕾へと舌を滑り込ませる。
熱を持った柔らかな場所に、少しずつ指を侵入させていく。
……よしいける。これならいけるぞ。
快楽に蕩けて、痛みすら忘れているようなしゅうとの表情。
さっきのキスの時のように、もっともっとトロトロにしてやれば、きっと全部受け入れてくれるはずだ。
「はっ、あ……っ、だいきさんの、ください……僕の中に、だいきさんの……っ」
よし、きた! 違和感が快感に変わった合図だ。
俺は慎重に、ゆっくりと自分を沈めていく。……それにしても、こんなに小さな体に俺の全部が入るのか? 今まで経験豊富そうな相手としかしたことがなかったから、正直、期待と不安で頭がどうにかなりそうだ。
「痛くない? 無理してない?」
「きもちぃですぅ……もっと、くださぁい……っ」
うわぁお、言っちゃったよ! しゅうと、やっぱり感度最高じゃん……!
「……っ、しゅうとの中、すっごい気持ちいい」
ゆるゆると腰を揺らすたび、しゅうとの甘い喘ぎ声が鼓膜を震わせる。
女の子みたいに高い声……いや、女の子とやったことないけど、とにかくめちゃくちゃ可愛い。
「しゅうと、自分でそこ、擦ってみて?」
「んっ……きもち、いぃ……ですぅ……っ」
「えっろ……最高。しゅうと、最高だよ」
しゅうとの手の動きに合わせて腰を突き上げると、視界が火花を散らす。
こんな絶景を見てしまったら、明日から仕事なんて手につかない。あらゆる場面で今のしゅうとを思い出して、俺、本当にダメ人間になりそうだ。
「……イくよ? 中に出しても、いい?」
「いっぱい、ください……だいきさんの……全部っ」
――その後のことは、正直よく覚えていない。
頭が真っ白になって、ふわふわとした多幸感の中で眠気が襲ってきた。……いや待て、俺、大事な相手に「生」とか最悪じゃん!
「っ、ごめん! 興奮して、つけるの忘れてた!」
ガバッと飛び起きて謝ると、しゅうとはシーツにくるまったまま、少し寂しそうに微笑んだ。
「……残念です。僕が女の子なら、だいきさんの子供が産めたかもしれんのに」
「……子供、欲しいの?」
しまった。俺が男好きだからって忘れていた。
しゅうとはどっちなんだ? たまたま俺が好きなだけで、本当は女の子もいける口なのか?
「……だいきさんとの子供が欲しいんです。そうしたら、歳をとってもだいきさんと一緒にいられる『理由』ができるでしょ?」
胸の奥が、ぎゅっと締め付けられた。
「……子供じゃなくてもいいじゃん。これから、ずっと二人で一緒にいられる理由を、探していこうよ」
「ふふっ……はい」
ニコニコ笑っているけど、しゅうとの心は不安でいっぱいなんだ。
俺のこれまでの生き方を知っているからこそ、信じきれない部分があるのかもしれない。
こんなに純粋で無垢な人を俺のものにしたんだ。これからは責任を持って、俺が一生かけて守っていく。
「俺ね、多分……初詣の時からしゅうとのことが好きだったんだと思う」
「……嬉しい。けど、それはそれで不安かも」
「いや、女の子もいけるとかそういう話じゃないよ? カレンちゃんがイけるってだけで……」
「……ライバルがまさか女装姿の自分やなんて、考えてもみませんでした」
「もう、ややこしいから全部『しゅうと』ってことでいいじゃん!」
「ほんまですね」と、しゅうとは優しく笑った。
この穏やかで、甘くて、少し騒がしい時間が、いつまでも続くように。
俺はもう一度、愛しい恋人を腕の中に引き寄せた。