テラーノベル
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「あっつ〜…」
夏休み明け。秋とは思えない暑さに、詠が水筒を首に当てる。
「なんでこんな暑いんだよ…てか、この暑さに体育とかどうかしてるでしょ。」
「文句言わないの。しょうがないでしょ。」
確かに死ぬ程暑いけど、去年もこんなもんだったし…
「陽花はいいよね!!見学なんだから!!」
「うっせぇ。はよ戻れ。」
そう言って詠の背中をみんなが集まっている方に向かって押す。
「うわーん!!」
(にしても、ほんと暑いな…)
あまりの暑さに頭が回らず、ぼーっとしていたら、隣に座っていた見学の純恋に声をかけられた。
「今日、ほんと暑いよね。秋とは思えない。」
ぼーっとしていたのもあって、少しビクッとなる。
「え?あ、うん…そうだね。」
新宮純恋。おっとりしてて、優しくてまぁまぁモテる方の男子で、彼女持ち。
お察しの通り、この彼女持ちの人が私の初恋相手だ。
好きな人に話しかけられて、顔が赤くなる。
こんな乙女みたいな感情いらないんだけど…
「もしかして、またサボり?」
うわ。バレた。でも素直に言える訳もなく、慌てて話題を逸らす。
「す、純恋こそ、何で見学なの?一昨日は普通に体育出てたじゃん。」
「あー、昨日病院行ったら悪化してるから、しばらく大人しくしてろって言われちゃって。」
あ、そういえばこの人、喘息持ちなんだっけ。
大変だな。親も仕事で家にほとんど居ないのに。
(せっかく話しかけてくれたんだし、もう少し話したいな。)
って、彼女持ち相手になんてこと考えてんだ私は!!
そんな事ばっかり考えていると、三時間目の終わりのチャイムが鳴った。
「と、とにかく無茶しないでね。」
「うん。ありがと。」
そう微笑みながら、教室に帰って行く。
その後ろ姿を、無言で見つめる。
「……好きだな……」
「え、なになに?!」
後ろから詠の声がして、思わず口を塞ぐ。
(声に出してたとか…最悪…)
きっと顔が赤いのも暑さのせいで、恋のせいなんかではない。
そう言う事にしておこう。
コメント
5件
うぉぉぉぉぉぉぉすげぇーーー
ぇ、好き(?)