テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
女の子は「追う側の恋」よりも、「追われる側の恋」の方が幸せになれるらしい。
…なら、私は?
私なんて完全に「追う側」。しかも絶対に勝ち目のないタイプ。
ここできっと漫画なら好きな人が彼女と喧嘩別れして、優しくしたら好きになってくれて付き合えて…みたいな。
でも、現実はそうは上手く行かない。
だってヒロインは私じゃない。
ヒロインは純恋の彼女とか、よくモテる詠とか。
脇役・負けヒロインの私に勝ち目は無い。
いや、きっと負けヒロインですらない。
「ヒロイン」の称号は私はいらない。
自分で言ったくせに、どことなく傷付いた。
「……憂鬱だぁ…」
ベッドに寝っ転がって小説を読みながらそう呟く。
土日なのに、窓の外はずっと雨。カーテン越しの空もどんよりしている。
「私もこの小説のヒロインみたいになれたらな…」
自己否定ばっかり繰り返していると、スマホの通知が鳴った。
画面には詠のLINE。
『暇だからカラオケ行こーぜ!🎤♪*゚(σ゚∀゚σ)⌒♬karaoke』
「こいつ雨なの分かって言ってんのか」
「今日雨だよ?」と返信すると、
『室内だから大丈夫でしょ!✌︎( ¨̮ )✌︎』と返ってきた。
いや、そういう事じゃねーんだわ…
なんか今日は嫌な予感がする…
そしてこう言う時の予感は大体当たる。
「一人で行かせるのも危険か…急いで行こ」
待ち合わせ場所を聞いた私は、誰も居ない家に向かって「行ってきます」と一言いって玄関を出た。