テラーノベル
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あの出来事から一ヶ月が経った。
俺の仕事も漸く目処が立ち、後は営業部の部下達に任せるところまで来た。
継続的に行う仕事だから油断は出来ないけど向井を筆頭に結果を出してくれるだろう。
その間に起きた涼子さん関係の話をすると、ファンクラブが出来た。
社内にファンクラブが出来たのは佐久間に続いて二人目だ。(実際は渡辺が把握してないだけで複数存在する)
佐久間の時は男性比率が多かったが涼子さんは今のとこ男女半々で入会者が続出しているらしい。
情報源は経理部の阿部なんだけど、どこからそんな情報収集してるんだか。
まあ…阿部には悪いが興味はない。笑
***
🧡「…あ、おった。部長!探しましたよ!」
休憩室で一息ついているところに向井が小走りで近付いてきた。
何か急ぎの用でもあるんだろうか。
💙「どうした?」
🧡「再来週に行われる涼子さんの歓迎会に出席するか確認に来ました!」
💙「…は?」
歓迎会?そんなのメールでよくね?
…………まぁ、いいか。
💙「再来週の、いつだ?」
🧡「金曜日です!」
💙「あー……、多分空いてるから出席にしといてくれ」
🧡「了解です!」
では失礼します!、と軽く会釈をして向井は休憩室から出て行った。
相変わらずデカい声だな、うるさい。
(褒めてる)
それにしても歓迎会かぁ。
歓迎会をするのはラウールの時以来だ。
大人数の飲み会は必ず誰かが酔っぱらいになるから心配で酔えない。
部長になってからは余計に部下にだらしない姿を見せたくないという思いが強くなって乾杯で飲む一杯だけで酒は止めにしてる。
そもそも酒に強くないんだけど。
……涼子さんはどうなんだろう。
ふと、スマホを取り出し連絡帳を開く。
涼子さんの下には涼太の連絡先が登録されたままになっている。
何度も消そうした。
…………でも、出来なかった。
***
高校卒業後、涼太の家へ行った時におばさんから海外へ行ったと知らされた。
涼太も大学進学すると勝手に思い込んでたから、あえて何も聞かなかった。
いざ、何も知らされずに俺の前からいなくなった涼太に対して当時は感情がグチャグチャになり迷走していた。
そのまま大学へ進んだ俺は…かなり荒れた。
恋人を作って別れてを繰り返したり、サークルに入ってバカ騒ぎしたり。
だけど好きでもない人と一緒にいるのはストレスだったし、慣れないテンションで騒ぐのもストレスだった。
そんな生活を続けていたら身体が限界を迎え俺は大学へ行く度に胃が痛くなった。
あまりの痛みに耐えられず病院へ行くとストレス性胃腸炎と診断された。
それから俺は生活を改めるため恋人に別れを告げ、サークルを抜けて目立たないように静かに過ごした。
数ヶ月後には胃が痛くなることはなくなり大学に行くのが億劫ではなくなった。
俺にとって苦い思い出だ。
できることならば思い出したくない。
涼太のことを考えていたはずなのに思考が外れてしまった。
…………今なら、消せるんだろうか?
涼太の名前をタップして登録の削除を押す。
あとは、【はい】か【キャンセル】を選んで押すだけ。
スマホを持つ手が震える。
涼太と再び出会ってから、ずっと心の奥に閉まっていた感情が溢れてくる。
自然と目で追ってしまう。
だからといって話しかけたりはしない。
今更だ。
彼は何も憶えていない。
この想いにもう一度火を灯したところで、報われっこない。
蝋燭の火みたいに息を吹きかけて消えてしまえばいいのに。
でも彼と約束した。
食事のお礼と過去を教えるって。
それが終わったら距離を置こう。
大丈夫。
今まで通り過ごしてればいいのだから。
それまでは………。
俺は【キャンセル】をタップして一つ前の画面に戻り、涼子さんの名前を押す。
手短に文章を打ち込み送信をする。
スマホをポケットにしまって早足で休憩室を後にした。
『今週どこか空いてますか?あの時のお礼をさせて下さい。』
💙の過去が垣間見えましたね。
短めに終わらせる予定だったのに五話じゃ終わりそうにありません!笑
どうしてこうなったのか不思議です。
タイトルですが、なんか違うなぁ〜と思ったので変更しました。
他にもコロコロ変えて申し訳ないです。
それから
♡ありがとうございます!
コッソリでもいいので応援してほしいと言いましたが、かなり嬉しいです。
励みになります。
これからもよければ♡お願いします!
それでは、次回の更新をお待ち下さい。
ありがとうございました!
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コメント
3件
あのクリスプのCMからここまでストーリーを広げられるなんて、すごいです!
うわ、第4話めっちゃ刺さったわ……💙の過去、想像以上に重くて苦しかった。涼太のこと消そうとして指が震えて【キャンセル】選んじゃうとこ、切なすぎる。連絡先ひとつ消せないって、よっぽどの想いだったんだなって伝わってきた。それでも「お礼させてください」って送るところに、ほんの少しの踏ん切りというか、前に進もうとする意思が感じられてグッときたよ。次の更新、待ってる🔥
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愛月☆
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