テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
――街中・戦場
煙が低く垂れ込める。
視界が灰色に滲む。
爆発。
衝撃波。
崩れ落ちる外壁。
逃げ惑う人々の悲鳴が、警報音にかき消される。
バグスターの群れ。
異常な数。
まるで増殖しているかのように、倒しても、倒しても、湧く。
「くそ……キリがねぇ!」
貴利矢が撃ち抜く。
だが背後から三体。
横から二体。
連携が取れない。
包囲されている。
飛彩が剣を振るう。
斬る。
払う。
突く。
だが、呼吸が荒い。
視界の端が暗い。
スーツの内部でアラートが鳴り続ける。
――ダメージ臨界値接近。
「まずい……」
一瞬の隙。
背後。
重い衝撃。
バグスターの巨大な腕が叩きつけられる。
飛彩の体が宙を舞う。
瓦礫に叩きつけられる。
スーツに亀裂。
火花。
――変身解除。
光が砕ける。
生身の飛彩がアスファルトに転がる。
息が詰まる。
肺が焼けるように痛む。
「……っ……く……」
立ち上がろうとする。
腕に力が入らない。
その前に、影。
バグスターがゆっくり歩み寄る。
急がない。
余裕の表情だ。
貴利矢も包囲される。
「チッ……」
銃を撃つ。
弾切れ。
横からエネルギー弾。
直撃。
――変身解除。
地面に膝をつく。
血がにじむ。
視界が揺れる。
二人とも、生身。
周囲を囲む異形の群れ。
赤い光がチャージされていく。
逃げ場がない。
飛彩が歯を食いしばる。
敵の中心にいる大型個体が、ゆっくりと腕を掲げる。
空気が震える。
地面が軋む。
「終わりだな」
低い電子音。
赤いエネルギーが収束する。
街ごと吹き飛ばす威力。
飛彩は動けない。
貴利矢も立てない。
赤い光が放たれようとした、その瞬間――
煙の向こうから、足音。
ふらつく。
それでも止まらない。
瓦礫を踏み越え、影が前に出る。
生身の永夢。
顔色は青白い。
呼吸は荒い。
それでも、まっすぐ前を見る。
飛彩の目が見開かれる。
「……研修医」
その声は、怒りより先に“恐怖”が混じる。
貴利矢が低く吐き捨てる。
「……エム…」
敵が嘲る。
「立っているのもやっとか?」
永夢は一歩、前に出る。
足が震える。
胸が軋む。
「っ……」
腰にベルトを当てる。
ガシャットを手に取る。
一瞬、視界が白む。
肺が悲鳴を上げる。
それでも叫ぶ。
「変身!」
――ガッシャット!
――ガチャーン!
――レベルアップ!
――マイティジャンプ!マイティキック!
――マイティマイティアクションエックス!!
ゲームフィールド展開。
光のブロックが積み上がる。
装甲が重なり――
エグゼイドLv2が立つ。
だが、揺れている。
敵のエネルギー弾が放たれる。
巨大なブロックを叩く。
「アイテムゲット!」
展開――鋼鉄化。
衝撃波が激突。
轟音。
地面が抉れる。
エグゼイドは両腕で押さえる。
膝が沈む。
光が軋む。
「耐えろ……!」
さらに衝撃。
反動。
エグゼイドの体が大きく吹き飛ぶ。
地面を転がる。
――変身解除。
光が散る。
生身の永夢が瓦礫の上に叩きつけられる。
「……っ、ぁ……」
息が吸えない。
指が震える。
それでも、目は折れていない。
「…ま、だだ、…ここから………逆転、する」
飛彩が怒鳴る。
「ふざけるな!!」
声が割れる。
「お前は今、患者だ!!」
立ち上がろうとするが、足がもつれる。
それでも怒りで前に出る。
貴利矢も叫ぶ。
「エム! 何考えてんだ!!」
赤い光が再び収束する。
敵は止まらない。
永夢がゆっくり立ち上がる。
息が荒い。
胸が激しく上下する。
「……裏技がある」
飛彩の目が凍る。
「やめろ」
即座。
「それは使うな」
貴利矢の顔から笑みが消える。
「エム、それは“最悪の選択肢”だろ……」
永夢の指が、震えながらガシャットに触れる。
「今は……それしかない」
飛彩が怒鳴る。
「その負荷でお前の体が持つと思うな!!」
「分かってます」
即答。
「分かっていてやるな!!」
飛彩の声が高鳴る。