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姫と間違えられて攫われた話

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姫と間違えられて攫われた話

1 - 第1話 プロローグ

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2023年12月14日

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きんときside_  /ワイテルズ諸国


Na「どういうことか説明して、ぶるーく!」


なかむがぶるーくをキッと睨みつける。ぶるーくは怒りに震えたなかむの顔を見てか段々とバツの悪そうな表情になっていく。


br「ち、違うんだよ〜…本当に間違えたの、!」


ぶるーくは今にも泣き出してしまいそうなほど弱々しい声でそう言うとすぐ近くにいたきりやんの後ろに隠れてしまった。


kr「ちょ、おいぶるーく…」


br「助けてよぉやんさーん!!」


情けない姿に思わず溜息が漏れてしまう。ただそれは他も同じだったようで…なかむもスマイルも呆れたような表情をしながらぶるーくの方を見ていた。


Na「おいきりやん、そこどいて。」


kr「……ってことだから、ぶるーく離して、」


br「ええっ、やだやだやだ」


Na「…きりやん。」


kr「…はぁ。ごめんなぶるーく。総統様には逆らえないんだわ。」


きりやんはそう言うとひっつき虫のようにきりやんにくっついていたぶるーくを引っぺがしてなかむのほうへと投げ飛ばす。うわ…痛そ〜。


br「えええっ!?ちょっと!ねえきりやん!僕のこと見捨てないでよぉ〜……」


こうもなってくると少しぶるーくにも情が湧いてくるな。なんでこうなってしまったのか…いや正直こんなことになると想定しなかったぶるーく以外にも責任はあるのかもしれない。


sm「なかむ、取り敢えず落ち着こう。」


Na「………そう、だな。1回落ち着こう。」


一部始終を傍観していたスマイルがそう言うとなかむは深く深呼吸をして椅子にドカッと腰を下ろした。



Na「…俺らがこんな調子じゃあ、君が1番落ち着かないでしょ?」





??「………」





なかむが呼びかけてもそいつからはまるで返事がない。伸びた黒髪の隙間から見える緑色の瞳は今にも噛みつかれてしまうんじゃないかと言うほどに強烈で、見るもの全てを敵視しているかのようだった。



Na「…黙秘、か。」




Na「……まあいい、今回起こったことが二度と起こらないようにもう一度初めから時系列にそって話していこう。」


なかむのその一言で俺含めた4人は部屋の中央に設置されている会議用の椅子に座った。








Na「まずは……ぶるーく。」


br「は、はいっ……」


Na「俺はぶるーくに北側諸国の姫を攫うに頼んだよね。」


br「…そう、だね。」


Na「…で、連れて帰ってきたのは?」







br「……別の子…だね。」







…そう、今なかむとぶるーくが言ったように北側諸国の姫を攫う、それが俺たちの達成するべき目標だった。人攫いなんて人道的じゃないことは分かっているがこれはこの国の…ワイテルズ国の未来のために必要な過程だったんだ。

ぶるーくは俺たちの中でも戦闘や語学の才能に最も秀でていて今回の目標達成にはまさに適任だったと言える。

狙うは警備が所々手薄になるであろう国全体の宴の日。宴に参加する観光客を装い国に侵入するところまでは完璧だったらしいのだが………

なんとぶるーくは全く別の奴を連れて帰ってきてしまった。



Na「……まあさ。ぶるーくを責めたところでどうこうなる話じゃないんだけどね、」


kn「そうだね。少なくとも俺らにも非があると思う。これはぶるーくだけの責任じゃない。」


br「きんさん…!!流石だよ!やっぱりきんさんならわかってくれると……」


kn「…君は反省しなさい。」


br「なっ、なんだよもぉ〜…反省してるよぉ…」


ぶるーくはむくれたような顔をする。

まあ確かに今回の任務は失敗してしまったが、 ぶるーくの実力は間違いなく本物なんだ。もちろん、それは前線で戦っているところを何度も何度も隣で見たから保証する。

まず…北側諸国は様々な国に戦争を仕掛けてはその圧倒的な軍事力と経済力で圧倒し続けているまさに超大国。経済力なんかで言ったら俺らの何十倍もある。そんな国に侵入出来たこと、そして傷一つ無しで帰ってこれたこと自体がそもそもすごいんだがな…。


sm「ぶるーくのことはもういいよ。ぶるーくが帰ってこれただけでも良かっただろ?」


Na「…そう、だね。それに関しては良くやったよぶるーく。」


br「な…いきなり褒めるじゃん……」


kr「まあ、それにしてもまず…一つ決めないといけないことがあるよな?」


kn「そうだね、」


なかむの一言と同時に俺たち5人の視線が一箇所へと注がれる。










『コイツ、どうするよ?』












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