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17話 すれちがいの雨
バシャバシャと地面から跳ね返る雨が、靴やくるぶしを冷たく濡らす。
大通りを渡って駅に向かおうとした時、人影が目についた。
バス停の狭い屋根の下、ベンチに座る小さな背中。
間違いない、小林だ。
ほっと息を漏らし、そちらに近付く。
バス停の屋根の下で傘をたたむと、人の気配に気付いた小林がこちらを振り向いた。
髪も服も濡れ、瞳までも濡れているように見えるのは、雨のせいだろうか。
「……どうして」
「え?」
「どうして来たんですか」
言葉に詰まった。
飛び出したのはほぼ衝動で、理由らしい理由はない。
返事をしない俺に、小林は言葉を重ねた。
「あの人……彼女さんですよね」
「……あぁ」
頷いてから気付く。
そういえば小林に彼女がいると話したことはなかった。
多少バツが悪くなったが、相手がいるのはお互いさまだ。
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