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名無の男2
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パンとかサンドイッチとかおにぎりを食べて。
ぼーっと景色を見ていたら、だんだん観光客の数が増えてきた。
時間を見ると10時30分。
まだまだ早い事は早いけれど。
「そろそろ行きますか。お買い物とかもしたいですし」
「そうですね」
という訳で出発。
走り始めてすぐに、僕達は色々な誤算に気づいた。
例えば道路の左右の違い。
行きは左が海だったから、ほぼノンストップで走れた。
しかし帰りは左が街。
交差点のたびに徐行して、確認する必要がある。
そして向かい風。
これも地味に体力を奪う。
なにせ常にこいでいないと速度が落ちるのだ。
帰りで少し疲れているというのに。
お尻の痛みも、いよいよ本格化。
美洋さんが時々立ちこぎしているのは、坂のせいでは無い。
この道にそんな急な坂は無いから。
これは……結構しんどいかも。
行きに比べて、大分速度が落ちている。
行きは時速20キロを切る事が無かったのだが、帰りは18キロがやっと。
しかも所々で、交差点により一時停止したり徐行したり。
行きに休んだ公園に、まだ着かない。
あれは半分よりこっち側だった筈なのに。
そんな感じで走って、赤信号で、皆一緒になった。
「もう自転車を畳んで、枝ノ電で帰りましょうか」
「蒲倉で重い自転車を抱えてJR乗り換えなのですか。しかも観光客で混んでいるのですよ。ここでの正解は、諦めることなのです。黙ってこげば、何時かは着くのですよ」
シビアで正しい意見が返ってきた。
でも何の救いにもならない。
既にギアも、行きより2段くらい下を使っている。
栗原さんがまだ大丈夫そうなのが救いか。
信号が変わる。
隊列はそのまま4人とも黙って、順にこぎ始めるのだった。
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