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初めて、夜に家を出たのは中一の2月くらいだった。
友達とのいざこざがあり、全てがめんどくさくなった。
学校に行かなくなった僕は、使うべき体力を使えず、夜寝れないことが多くなった。
初めは夜中起きているだけでも、非日常な気がしてワクワクしていたが、それも1ヶ月も続けば日常と化した。
そんな時ふと考えた。
窓の外にある景色に足を踏み入れてみたいと。
いつも通ってたはずの通りが奇妙な暗さと街灯の心もとない灯りで照らされた姿は僕の探究心を大いに沸き立たせる条件として十分すぎるくらい成り立っていた。
夜なら誰かに見られる心配もないだろうと、昼間トイレに行くくらいでしか開けることの無い扉を開け、僕の部屋を出る。
もう3月と言えど、夜中の廊下は
僕の不安と夜風で背筋が凍るほど冷えていた。
怪しいくらいに静かな空間は、生きているものを受け付けないようで、息を留め駆け足で家を出た。
そこには、夜があった。
一つ一つが夜だった。
窓から見えたあの道もさっきでてきたドアも絶えることの無い夜がそこに広がっていた。
それは、恐怖なんかを打ち消し、勝手に足を運ぶ。
そして、脳内を探究心でいっぱいにする。
もう既に僕はその場に依存していた。
僕は夜に生きるために生まれたのだ。
そんな気がした。