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#さのその
#BL
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#さのじん
勇「はあああああ!?!?!?」
深夜の住宅街に、ガチヤンキーらしからぬ情けない絶叫が響き渡る。
目の前にいるのは、ふわふわの白い髪に、くりくりとした大きな瞳の美少年。
しかし頭のてっぺんには、さっきまで俺が高級タオルで拭いてあげていたのと同じ、真っ白な猫耳がぴょこぴょこと動いていた。
勇「夢だ。これはゲリラ豪雨で風邪ひいた俺の幻覚だ。よし寝よう」
仁「ちょっと待ってよ!現実逃避早すぎない!?」
ガバッと布団を被ろうとした俺の腕を、仁人が慌てて掴む。
その手はすべすべしていて、まごうことなき人間の男のものだった。
そこから始まったのは、あまりにも奇妙な深夜の解説本番だった。
仁人いわく、彼は「雨に濡れると猫になってしまう」という、おとぎ話のような呪われた家系の生まれらしい。
そしてその呪いを解く唯一の方法は、「心から愛する人とキスをすること」。
仁「……でもさ、こんな体質だからまともに恋人もできなくてさ。そしたら数日前、親に『もうお前はうちの家系のお荷物だ』って言われて……あのゴミ捨て場に置いていかれちゃったんだよね」
そう言って、仁人は膝を抱えて視線を落とした。
さっきまでの小生意気な笑顔は消え、大きな瞳からポロポロと大粒の涙がこぼれ落ちる。
仁「行くあてもないし……俺、これからどうしたら……ぐすっ」
ヤンキー佐野勇斗、ここで完全にノックアウトである。
ただでさえ女の子恐怖症のせいで人情に飢えていた男だ。
こんなに可愛い生き物が、雨の中で捨てられ、実の親にまで拒絶されていたなんて知ってしまったら、放っておけるわけがない。
勇「……チッ、お前の親、見る目なさすぎだろ。おい、泣くな」
仁「え……?」
勇「家がないなら、ここにいろ。俺が養ってやる」
仁「……いいの?俺、また雨が降ったら猫になっちゃうんだよ?」
勇「猫の時はあんなに可愛かったんだから問題ねぇよ!つーか、人間のお前も……まぁ、悪くないし」
照れ隠しで顔を背ける俺を見て、仁人は一瞬きょとんとした後、嬉しそうにパッと表情を輝かせた。
こうして、恐怖のヤンキーと猫化男子のドタバタ同棲生活が幕を開けたのである。
翌朝。
勇「よし、まずは服を買いに行くぞ。いつまでも俺の学ラン着せておくわけにいかねぇからな」
仁「わーい!お出かけだ!」
意気揚々と街のセレクトショップへ繰り出したものの、ここからが大変だった。
仁人はずっと世間から隠れるように生きてきたせいか、服のセンスがどこかズレている。
仁「勇斗!これ見て!このネズミの刺繍が入ったパーカー、すごく美味しそう!」
勇「服を獲物基準で選ぶな!あとそれ子供服だ!」
仁「じゃあこっちの、ひらひらしたピンクの……」
勇「それは女子用だ!俺が死ぬからやめろ!!」
結局、俺が選んだシンプルなオーバーサイズのニットとデニムを着せることに。
試着室から出てきた仁人は、モデル顔負けの透明感を放っており、店内の女子たちの視線が一斉に集まった。
女子A「キャー!あの白い服の子、超可愛くない!?」
女子B「隣のヤンキーとの体格差ヤバい……!」
勇「ひぃっっ!?おい仁人、ずらかるぞ!!」
仁「えっ、お会計は!?」
慌ててお金を叩きつけ、仁人の腕を引いて逃げるように家へと帰還した。
女子の黄色い声は、やはり俺の心臓に悪い。
帰宅後、今度は「家事の分担」を決めることにした。
居候する以上、仁人も何か手伝いたいと張り切っている。
勇「よし、じゃあまずは基本の掃除からだ。このワイパーで床を――」
仁「あッ!!!」
俺がクイックルワイパーを取り出した瞬間、仁人の目がキラーンと鋭く光った。
仁「動く棒……!俺が仕留める……!」
勇「おい待て、それ掃除道具――」
仁「シャーーーッ!!」
仁人は床を滑るワイパーのヘッドめがけて、見事なフライング体当たりを敢行。
ガシャーンと派手な音を立ててテレビ台に激突した。
完全に猫の習性が抜けていない。
勇「アホかお前は!人間形態の時は質量が違うんだから破壊神になるだろ!」
仁「痛たた……つい体が反応しちゃって……」
勇「……はぁ、じゃあ料理はどうだ?包丁は危ないから、まずは味噌汁の味噌を溶くところからな」
お玉と箸を持たせ、鍋の前に立たせる。
今度こそ大丈夫だろうと見守っていると、仁人はお玉ですくった味噌をじーっと見つめ、何を思ったかそのままペロリと舐めた。
仁「ん!しょっぱい!けど美味しい!」
勇「直で食うな!!味見のレベル超えてんだろ!」
仁「だっていい匂いがしたから……」
勇「お前、本当に手がかかるな……」
俺が頭を抱えると、仁人は申し訳なさそうに耳をへにゃんと寝かせた。
仁「ごめんね……俺、やっぱりお荷物かな……」
捨てられた過去を思い出してしまったのか、シュンとする仁人。
その姿を見て、俺の過保護スイッチが再びオンになる。
勇「……誰がお荷物っつったよ。お前はただ、ちょっと不器用なだけだろ。ほら、貸してみろ」
俺は仁人の後ろから手を伸ばし、お玉を持つ彼の小さな手を包み込むように握った。
勇「こうやって、ゆっくりお湯の中で揺らしながら溶かすんだよ」
仁「……うん」
至近距離から、仁人の甘いシャンプーの香りが鼻をくすぐる。
ふと横を見ると、仁人の顔が耳まで真っ赤に染まっていた。
仁「ねぇ、勇斗……」
勇「あ? なんだよ」
仁「なんか、心臓がトクトクして……猫の時より熱い気がする」
勇「っ……!?」
見つめ合う二人の距離は、あと数センチ。
呪いを解く条件は「愛する人とのキス」。
ヤンキー男子的にも女の子恐怖症的にも、人生最大のキャパオーバーが迫っていた――。
fin
仁ちゃん人間でも猫の癖ついちゃうのお気に入りჱ̒⸝⸝•̀֊•́⸝⸝)♡
コメント
7件
猫のくせが治りきらないの可愛いすぎます😭

猫きいろさんの人間でも猫の習性があるの可愛い♡ 次回運命のKISSですか•́ω•̀)? 楽しみです
もう二人とも可愛すぎる…💞