乱「 ねぇ太宰、何で僕拘束されてるの? 」
今、僕、江戸川乱歩は同僚の太宰治に腕を拘束されていた。
太「 乱歩さんなら判るでしょう? 」
乱「 逃げない様に、っていうのは判るけど何で逃げない様にするのかが判ん無いの‼︎ 」
太「 まぁまぁ、乱歩さんが抵抗しないなら私も危害を加えませんよ。 」
抵抗しないと社長にも会えないし“名探偵”の仕事にも行けない、それはそれで困る。そろそろ社長に褒めてもらいたいし…
乱「 抵抗しない方が可笑しいでしょ 」
太「 抵抗したら“僕”が何すると思います?(ニコ 」
乱「 、ひッ… 」
行形一人称が変わった。目が笑っていない。詰り、マフィア時代の頃の太宰の精神状態が一時的に今の太宰に戻って来た、という事だ。それが何を意味するか、、下手すれば殺される?否、でも何故?疑問は沢山だ。だが、殺しはしないだろう。最近の太宰には事件を起こしそうな挙動はなかった。僕が居ても何の不都合も無い。
太「 まぁそんなに怖がらないで下さい、私は乱歩さんが“欲しい”だけなんですから。 」
乱「 欲しい、? 」
嫌でも太宰の一挙一動に注目してしまう。太宰が時計を見る為に体の向きを変えただけで吃驚してしまった。
太「 ではその話はまた今度。私今から用事あるので。 」
ほっと胸を撫で下ろす。用事が有るなら、逃亡しても大丈夫だろう。裏道等を使えば気付かれない。
太「 では失礼しま~す 」
何時も通りの巫山戯た喋り方と少し許りの愛嬌のある手の振り方。太宰はこう言う時に冷静なのが腹が立つ。
足音が聞こえなくなり、10分。帰ってくる気配は無い。
乱「 ッ善し、取れた… 」
縄で縛られた両手は自由になった、逃亡できる。
乱「 はぁッ、はッ、ふぅ、 」
そこから僕は全力で走った。ヨコハマだった為、家に簡単に帰ることができるだろう。
「 乱歩さん? 」
聞き慣れた声がした。
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