テラーノベル
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久しぶりに 6×20 です💓
付き合って 数ヶ月のふたり
ちょっとしたことで ケンカになったようです
「そんなに信じられないんなら 好きにしろよ!」
バンッ
智は そう言って玄関を出ていった…
あ……やってしまった…
「山内 おはよう…って なんだ?その顔」
「大志か おはよ…」
答える山内の顔は 血の気が引いて まさに顔面蒼白
「体調でも 悪いのか?」
「いや 大丈夫 何でもない」
「そうかぁ?」
昨日は のろけまくりのご機嫌でうざいぐらいだったのが 一転している
ま 静かでいいか と思ったが あまりの悲壮感に 声をかけてしまった
ただでさえ低音の声が さらにトーンダウンしている
「なんだよ 昨日とのギャップは?え?早速 痴話喧嘩でもしたのか?」
「なんでわかった?!」
さっきまで うなだれていた顔が こっちに向いた
図星かよ…やっぱり声かけなきゃ良かった 絶対どうでもいい話だろ
「智が…浮気…」
「は?」
「いや 思い過ごしだったんだけど…」
歯切れ悪いなぁ
「お前のことだから どうせ嫉妬して くだらんこと智くんに言ったんだろ」
「う……はい」
山内がへこむのは これはこれで面白い
いやいや 今日は試合前の大事なミーティングがある
さっさと復活させないと こっちが困る
「おはようございま〜すって 何?山さん身長縮んだ?そんなにうなだれて 」
興味深そうにやってきたのは 小川だ
めったに落ち込まない山内の様子に 何か感づいたな?
「何 落ち込んでるんすか?ちっちゃくなって(笑)」
変わらず一言多いというか…
「自業自得 たわいもない痴話喧嘩らしい 全く…」
「もしかして 智さん昨日門限間に合わなかったとか?」
へ?何で小川が知ってるんだ?
「そんで 甲斐と会ってたから?」
お前 何知ってんだよ
「あ〜 やっぱそうだったんだ 智さんも言ってくれればいいのに」
はぁ…と ため息をつく
「説明したいんですけど 俺当番だから 先に行きます! 」
そして
「昨日の門限破ったのは 俺にも責任あるんすよ 智さんは潔白です! わかりましたぁ?」
それだけ告げて 早足にその場を去った
「潔白…だとさ 健気だよなぁ〜智は」
嫌味たっぷりの大志に肩を叩かれ 自己嫌悪がよみがえる ロッカーで気持ちを切り替えてきたのに 大志め…
練習場につくと いつもの笑顔の智がいた
そうだ 智も当番だった 早出だから 門限厳守だぞって言ったのに 帰ってこなくて
相手は 智に片思いしている甲斐
落ち着かない自分に腹を立てていた
『俺 山さんと一緒にいたいんだ』
甲斐の前で 俺の前で はっきり智は言ってくれたのに 俺は信じてやれなかった
「お前 結構嫉妬深い人間だったなんて 意外だわ」
動揺しながら 相談したのは古い付き合いの健太郎
スマホの連絡先を 容赦なく消すし あまり人間関係は引きずらない
自分でも意外だった こんなに人に執着するなんて
「俺は嬉しいよ ヤマが人間らしくなってさ(笑)智くんに感謝だな」
健太郎は 笑いながら喜んでくれた
小川にも言われたっけ
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しかも 代表初対面
あいつの観察眼はバレーでも日常でも ずば抜けている
「山内さん 結構 冷たいんですね」
あまりに 的をえていて 笑ってしまった
そう…
「今日 甲斐と飯食べて帰るから…」
なんでそんなに ニコニコしてんだよ…
「そ…そっか…」
動揺を隠しつつ 喉から
『行くのかよ…』と出てくるのを 必死に堪えた
智の人間関係に口出ししたくないのも本音だ そして 智を信じると決めたんだ
だけど いざとなると 不安になって 独占欲がわきあがる
とりあえず 謝るか…
それしか 道はないよな
よし 切り替えるぞ!
バシッと頬を叩いて 気合いを入れる
練習開始
集中している時は 心地いい
ひとつのことだけ考えることで メンタルも整う
智も 態度を変えることなく 練習に集中していた
いつも通り ボール練習から ウェイトトレーニングに移動で 汗をふきながら体育館から出ようとした瞬間だった
ガタガタガタンっ
「智さん!!」
何?と周りの全員が後ろを振り返る
「智!動くなよ!」
バタバタとスタッフが走って体育館を出ていく
「何があった?」
慌てるスタッフを引き留める
「智さんが ネットのポールの下敷きに…」
すみませんっと短く告げて 走り去る
智がポールの下敷きってなんで!?
体育館にもどり見渡すと 小さな人だかりが見える
走って近づくと 数本のポールの下に 動かない智がいる
「智?智?」
「山内!ポールどかすから手伝え!」
「あ…ああ」
動揺から呆然とする俺に 大志が声を荒げる
早く智を助けだしたい一心で ポールをどける
横たわる智 起き上がる様子がない
「智!わかるか?」
顔を歪めて 小さく頷く
「痛いところ 言えるか?」
「あ…たま…と…から…だ」
意識あるし 受け答えできてる
「わかった 静かにしてろ 今ドクター来るから」
痛がる智に 何もしてやれない歯がゆさに 拳を握る
「やま…」
手に触れようと ゆっくり腕を近づけてくる
「智!大丈夫だから!」
手を握って 答える
やっと 一緒にいられる関係になったのに 智を守ってやれなくて 傷つけて…
瞬く間に ドクターが現れ 頭を打っている可能性があること 意識が朦朧としていることから判断して 救急搬送することになった
搬送には マネージャーが付き添い 智は搬送された
後の練習は 自主トレに切り替えられ 1時間程度で切り上げて 明日の試合のミーティングは いつもの流れと智の様子は 追って連絡
チームメイトとして 全力尽くすことだけを考えようと締めて終わった
「山内さん」
ロッカーに戻る前に 離れた場所のベンチに1人座っているところに 帰り支度を済ませたゆうきが現れた
「おう お疲れ」
「ロッカー 戻らないんですか?」
「ん…ちょっと 落ち着きたくてさ」
「すみません 邪魔でしたね」
「いや 話しかけてくれて良かったよ 俺 考え出すと止まらなくなるから」
「役に立てたんなら…」
と ポケットから何か出してきた
「これ」
と差し出してきたのはメモ紙 電話番号と病院?
「智くんの搬送先です」
「え?いや 智の容態が落ち着くまでは 公開しないって」
「キャプテンは スタッフと情報共有のために教えて貰っているんで」
「いや お前は知っててもいいんだけど…これ 漏洩じゃね?」
「俺 そんなに真面目じゃないんで」
なんだよ それ…
「信頼してくれてるんだ?」
「智くんが目を覚ました時に そばにいて欲しいのは 山内さんかなって」
「ゆうき?」
こいつ 知ってる?
「一応キャプテンですから チームの内情は 把握してるつもりです」
余裕の微笑み マジかよ…
「お前 ホントに海外にいた?」
「勘の鋭いメンバーが 多いですから 情報収集には困らないんですよ それにみんな仲いいし」
そりゃ 隠してるのも時間の問題だろうとは思ってたけど
「まあ 確信に至ったのは さっきですけど」
「さっき?」
「事故の時の山内さんの表情と 智くんが山内さんの手を握った時 あっ そうなんだって」
「冷静なんだな」
「俺 誰がどうなろうと興味ないんです 恋愛は自由ですし ただ チームのパフォーマンスに響くのは良くないから チーム内のことを把握しているだけです」
「優秀なキャプテンで つくづく良かったよ」
つか こいつ色々怖いんだけど
「マネージャーに 検査終わって診断でたら 連絡くれるように言ってあるんで 山内さんに連絡します 行ってあげてください」
「ありがとな」
「明日 智くんのために いいパフォーマンスしましょう」
「もちろん!」
お互いの肩を叩き 別れた
ゆうきからメモを受け取り 残り少ない人数になったロッカーに戻って シャワーを浴び 自宅に帰ったと同時に メッセージが入った
ゆうきだ
『智くん 命に別状はないそうです まだ意識は戻ってないみたいですが 面会しても問題ないと』
はぁ…安心した……
間もなく 続きが入ってきた
『数日入院になるらしく 山内さんに準備をお願いできますか?』
入院ていうのが気になるが 頭を打ったみたいだから 仕方ないか
了解です と返信して
必要な智の荷物をまとめて 病院に向かう
智に会いたい
大丈夫だと 手を握ってやりたい
そして…謝りたい
いろんな思いをめぐらせながら 病院につく
指定された入口で 名前を伝えると 病室に案内された
ノックして中にはいると 付き添っていたマネージャーが こちらに気が付く
「山内さん!助かりました 山本さんの荷物 置いたままで来てしまったので」
「とりあえず 必要なものは持ってきました 智は?」
「今は 鎮痛剤と精神安定剤で 眠っているそうです 目を覚ましたら ナースコール鳴らしてください」
「わかりました 」
「選手に負担をかけてしまうのは 一番ダメなのに 申し訳ありません」
平謝りするマネージャー
「俺は明日はベンチスタートだし 事情は石川から聞いてます
俺たちは皆さんに支えて貰ってプレーできてるんです
気にしないで行ってください 俺も智が目を覚ましたら 帰りますから」
「ありがとう よろしくお願いします」
マネージャーは 深々と頭を下げて病室を出た
ベッドの横の椅子に座り 智の寝顔をみる
頭の包帯が痛々しい
頭撫でたいけど 痛いかもなぁ…
でも 智の体温を感じたい
起きるなよ 智…
智に体重をかけないようにベッドに手をつき 唇を重ねる
柔らかい感触と伝わる体温
ごめんな…守れなくて…
ゆっくり唇を離すと 智の目がぼんやりあいた
「や…ま?」
やばっ 起こしてしまった
「目が覚めた? 」
「ここ…どこ?」
「病院だよ ポールの下敷きになったの 覚えてる?」
「あ……うん…」
「それから 救急搬送されたんだよ」
反応は薄いが 何が起きたか思い出しているらしい
「かい…甲斐は?」
「あいつ?何で?」
「甲斐に ポールが倒れそうになって…突き飛ばした」
「智……」
「あいつ 怪我 してない?」
「無事だよ 智が一番重症 痛みは良くなった?」
「ん…ぼぉーっとしてるから 良くわからないけど 大丈夫だと思う」
「わかった 」
ナースコールボタンを押すと すぐ反応があり まもなく看護師と医師が現れた
「傷からみて かなり強い衝撃だったと思われるので 念のため入院して様子を見させてください 身体の右半身の数ヶ所の打撲もまだ当分痛むと思います 1人で生活されるには しばらく無理があるでしょう
しかし さすがアスリートの方ですね よく打撲で済みましたよ
一般の方だったら数本は骨折しててもおかしくないですよ 頭もダメージがなくて良かった」
医師の説明で あらためて あの事故は危険だったことを知る 甲斐も智も 無事で良かった
話を聞くうちに 智の意識はずいぶん戻ってきた
「起き上がっても いいですか?」
自ら 身体を起こそうとする
「構いませんが ベッドからは降りないでください トイレは自立で構いませんが 歩行と転倒防止のケアのため 必ずナースを呼んでください」
「あ……はい」
「じゃあ 起きてみますか?痛みがある場所を確認させてください」
「智 いける?」
「大丈夫 起きれる」
恥ずかしそうに 視線をそらしながら 身体を起こす
「痛っ」
「大丈夫か?」
歪む顔にとまどう
「強がるなよ」
「少しぐらいは 我慢できるし」
ゆっくりと 痛みを堪えて 上半身をやっと起こす
「じゃ 診察しますね」
あらわになった鍛えられた上半身の右側に 大きく赤い打撲の跡が数ヶ所ある
確かに 筋肉が鎧になったんだろうが それでも充分に痛々しい
「大腿骨あたりに 大きい打撲があったので そこが痛むんでしょう この跡以外に 痛みがある場所 ありますか?」
触診されるが 痛む様子がなく 胸をなでおろす
説明が終わって 医師を見送り 智の元にもどる
「…お帰り」
ぼんやりした表情で 智がベッドで身体を起こして迎えてくれた
「体勢 きつくないか?」
ベッドサイドの椅子に座る
「うん ベッド起こしてもらったから大丈夫」
「大したことなくて良かったよ 痛みがある程度落ち着くまで入院だな」
「そうだね…」
なんか 落ち着かないみたいだな
もしかして…
「甲斐のこと 気にしてる?」
「え?…あ……うん…」
やっぱり…というか…当たり前だよな
「連絡してやったら?」
「いいの?」
「関田から 甲斐が心配してるから 出来たら智から連絡して欲しいって」
「やま…嫌じゃないの?」
「俺 そんなに心狭くないつもりなんだけど?」
「だって……」
今朝まで ケンカしていた原因は 甲斐だった
「昨日は ごめん
智のこと疑うつもりはなかったけど…
まだ自信がないんだよ
智の側にやっといられるようになったのに 何もしてやれない自分にイライラしてるんだ
今日も ただ 見ていることしかできなくて…」
ん?
ふわっと 手に体温を感じる
智の手が そっと触れている
「聞いてくれる?」
「う……うん」
「俺 やまと一緒にいるようになって 気がついたことがあるんだ」
気がついたこと?
「俺 バレーのことばっかりで バレー以外の自分の趣味とか何にもないんだ
だから常にバレーと向き合う生活してて それはそれで充実してるんだけど…
たまに 疲れるなぁ…って 苦しくなる時があって
いつのまにか どうしようもなくなる時が増えてきて とにかく疲れはてて…」
視線は どことなくぼんやりしている
「智…大丈夫か?」
「もうちょっとだけ 話させて…ね?」
触れている指先に 力が入っている
「……わかった もう少しな」
髪を優しくなでると智は
嬉しそうに笑う
「やまと一緒にいるようになってから その苦しい時間が消えたんだ
ああ…安心できる場所ができたんだって」
「俺といて?」
「うん
やまはずっと俺のこと 見守ってくれてたの知ってたよ
だから 安心できた理由も すぐわかった」
「智…」
「だから やまはちゃんと守ってくれてるし 俺は守られていると思ってるよ」
あらためて 俺の目を見つめて
「ありがとう…大好きだよ」
「なんだよ 抱きしめられない時に…」
こみ上げる喜びに 目頭が熱くなる
「やっと伝えられた」
ほっとしたのか いつもの笑顔の智がいた
「こちらこそ ありがとう 智」
両手で智の頬をつつんで 唇を重ねて お互いの温度を確かめる優しいキス
「俺のできることは 全部して支えてやる だから 側にいろよ」
「うん…」
やっぱり 笑顔の智が1番好きだよ
その笑顔は 俺が必ず守ってみせるから
コメント
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読了したわ!「痴話喧嘩」からの事故、そして病院での心の交流まで、感情の振れ幅がすごくて一気に引き込まれた。特に山内の自己嫌悪と智への想いが交錯する描写がリアルで、キャプテンゆうきの冷静なフォローも効いてた。バレー×恋愛、良い味出てる🔥 続きが気になる…!