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———午前七時。

まだ眠い目を擦りながら、ベットから立ち、伸びをする。

もらる「ん〜…」

身体がまだ怠い気もするが、いつも通りカーテンを開き朝日を浴びる。すると、後ろのベットでまだ寝ていたころねから、うみゅうにゅ…と、寝言が聞こえたので起こさないようにカーテンをそっと閉じ、自室から出る。


洗面台の冷たい水で顔を洗い残っていた眠気を吹き飛ばし、すぐさまキッチンに立ち、とりあえず朝食の準備を始める。

紅茶を淹れる準備をしながら、朝食の準備をしていると、ころねが起きてきた。

ころね「ぉあよぉ…」

まだ眠そうに目尻をさすりながらリビングに入り、自分の席に座る。でも、まだ朝食は時間がかかりそうなので、顔を洗ってくるように促す。

もらる「おはよ〜、ころ、顔洗ってきな」

ころね「んぅ〜…」

すると、ころねは聞いてるかどうか分からない返事をしながら洗面所に向かい、恐らく到着したと同時だったと思う。家中にころねの悲鳴が鳴り響く。

ころね「ぎゃぁぁぁ!!!!!」

その事件性を感じる悲鳴に多少驚きつつ、すぐさま洗面所に向かうと足元にしゃがんで丸くなっているころねを見つけた。ころねはこちらに気がつくと半泣きの顔で抱きついてきた。

何があったか問いかけると、どうやら虫が小窓から侵入してきたとの事。ひとまず、ころねをなだめながら、リビングに向かう。廊下で、恐らく、ころねが言っていた小さな虫を発見したが、ころねをリビングに避難させた後に逃した。

早朝早々そんなハプニングがあったが、…まあなんとかなったので良しとしよう。

こんなことはともかく、今日は絶対に行かなければいけない場所があった。それは——、


お兄ちゃんについて行って、着いた場所は………


———————お墓だった。

そういえば、お兄ちゃんと一緒に住むようになってすぐ、お兄ちゃんに言われたことがある。


『——ころにはお姉ちゃんが居るんだよ』お兄ちゃんは、ひどく遠くを見ているような目でそう言って紅茶を飲んでいた。

お兄ちゃんは多分、こぉねに大丈夫なふりをしていた。でも、ずっとその時のお兄ちゃんの風が気がかりだった。だって、その風に混ざっていた感情は…

今の顔みたいなすごく寂しそうな悲しみの混ざった感情だった。


ころねを連れて唯一の肉親である妹…恋雪の二周忌に来た。

恋雪は、いつも、「お兄は私が守る!」が口癖だった。でも、そのせいであの子は…

そんな暗い事を考えていると、ふと、背後からふわっと柔らかい茶髪が視界の端に映った。

…今、僕は暗い表情になっていたのだろうか。気づいたらころねが背後から、ぎゅっと抱きしめられていた。

もらる「…ころね、えとー…これはどうゆう…?」

ころね「…いつも、お兄ちゃんがしてくれてる事。」

もらる「…そっか」

僕は、今目の前にいる妹、ころねの行動を素直に受けとめ、受け身でそのまま抱きしめられる。

後ろから抱きしめられている状態で2、3分たった位で後ろからの重力が強くなったことに気づいた。恐らくは、ころねが疲れ始めたという事だろう。僕は、感傷に浸っていた自分を連れ戻し、帰ろうとする。

もらる「ころね?」

ころね「ん?何?」

もらる「帰ろっか」

ころね「……うん」

首元で交差していた手を解いたころねは立ち上がり、こちらに手を差し伸べる。僕はその手を取り、立ち上がってゆっくり歩き始め、『戌神恋雪』と彫られている霊標に背を向けた。

————その刹那、背後から、耳元で懐かしい声が聞こえた。



???『——いつも来てくれてありがとう。“お兄ちゃん”』



そんな声に反射的に、反応して振り返ったら昔のようにえへへ、という具合で笑っている彼女が鮮明に見えた。それはもう、幻影とかじゃ説明できないくらいに、はっきりと見えた。

そんな状況から瞬時に、僕はどれだけ恋しいんだよ…、と自分に呆れそうになったが、横のころねが僕と同じ方向を見て困惑している事に気づいた。そして、脳内に過ったそのたった一筋の希望をそのまま言う。

もらる「…ユキ、、なの?」

恋雪『……およ?あれ…見えてる?』

宙に浮いている彼女はやっとか〜、と言う感じで苦笑しながら着地し、照れ隠しのような表情でこちらを再び見る。

正直、心底嬉しかった。でも、それと同時に疑問もあった。

もらる「なんで…“墓場”〔ここ〕に居るの?」


この疑問は、彼女がどう亡くなったか、目の前で見ていたもらるじゃなければ抱かない疑問であった。なぜなら、霊体として出てくるには二つ方法があるのだが、今回の場合、彼女はそのどちらも使っていない


恋雪『———『遺体も憑依物もないのに』…だよね?』

僕は、心を見透かしたように言う恋雪の発言に頷く。

恋雪『これね…難しい説明省くと、霊体を遠隔操作してる感じでね。長い時間は持たないんだよ。』

……確かに言われてみれば、時間が経って行くごとに恋雪の身体が透けていっているのが分かった。それと同時に、兄妹の絆というべきか、僕は恋雪の行動からアイコンタクトで、何かどうしても言いたいこと、託したいものがある事が分かった。

恋雪『今、言える事託すもの全部話すし、託す!だから…だから…』

恋雪は口ごもりながら、言った。昔なら絶対に言われることがなかった言葉を、他の誰でもない僕に。

恋雪『———私を、助けて』

びしょ濡れ子犬を助けたら美少女でした。

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