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来都くんのモゾモゾで起きた。
いつものようによだれを垂らして寝ている彼。相当疲れていたんだね。今日も仕事を休んで、自分のことにちゃんと向き合おう。周りを見渡すと、この部屋は個室部屋だった。きっと、彼が有名人だからこの部屋になったんだろう。
ということは、私と2人きり?!唐突の密室に、胸が死ぬほどバクバクした。
「おはよー。ああ僕、病院に運ばれたんだっけ…」
ぼやぼやと周りをキョロキョロした後、私をベッドに呼んだ。
「変なことじゃないよ!ここ座って。」
昨日の僕はどうだったのか、何があったのか。私なりに考えた言葉で、精一杯伝えた。来都くんは私を責めることなく、優しい目でこっちを見つめた。
心地の良い無言の時間が、数分続いた。それなのに突然の電話が、話を遮って鳴り響いた。事務所の人からだった。
「休養、取らせてください。実は僕、倒れて…ファンの方に助けてもらったのです。今のところ誰も来ていません。はい。週刊誌なども取材されていないです。大丈夫です。話し合いは退院後、自宅にてお願いします。それでは。」
来都くんは、私に相談する間も無く自分の意思で休むことを決めていた。来都くんって絶対私のことを悲しませない…ファンのことも大事に思うからこその休養。
この判断が、選択が、お互いの望むものだった。