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第86話『笑う軍師』
中華連合武闘場。
本戦一回戦・第二試合。
桓騎
VS
凱孟
怒りに駆られた凱孟が大きく踏み込む。
「終わりだぁぁぁ!!」
渾身の拳。
その威力は、先ほどまでとは比べものにならない。
しかし。
桓騎は口元をゆがめた。
「待ってたぜ。」
凱孟の拳が届く寸前。
桓騎は体を半歩だけ横へ流す。
拳は空を切る。
その勢いで凱孟の体勢が前へ流れた。
桓騎はすかさず背後へ回り込む。
「何っ!?」
凱孟が振り向こうとする。
だが遅い。
桓騎は足を軽く払う。
ドッ!
凱孟の重心が崩れる。
さらに。
桓騎は肩へ掌を当て、その勢いを利用して押し出した。
「終わり。」
ドォン!!
凱孟の巨体が場外まで滑っていく。
実況が旗を振る。
「場外!!」
#リゼロ
すず
144
33
「勝者――」
「桓騎!!」
会場は大歓声に包まれた。
凱孟は悔しそうに拳を握る。
「くそっ……!」
「力では勝っていたはずなのに……。」
桓騎は笑う。
「だから勝負は面白ぇんだ。」
「力だけじゃ勝てねぇ。」
凱孟はしばらく黙っていたが、やがて笑みを浮かべた。
「……認めよう。」
「今日はお前の勝ちだ。」
二人は固く握手を交わす。
観客席では、蒼厳が静かに分析していた。
「桓騎将軍は相手の心理を利用する。」
「怒りを誘い、冷静さを失わせる。」
蒼龍も頷く。
「武だけではなく、人の心まで戦場にしているんだね。」
なおきりは深く息をついた。
「戦い方が全然違う……。」
じゃぱぱが苦笑する。
「まともに付き合ったら負けるタイプや。」
シヴァも笑う。
「敵にしたくない将軍だね。」
実況が再び立ち上がる。
「これにて第二試合終了!」
「続いて第三試合!」
李牧!
VS
シヴァ(虹)!
知略で中華に名を轟かせた男と、
虹の冷静な剣士。
次なる一戦は、力だけでは測れない頭脳戦の幕開けとなる。
コメント
1件
ああ、第86話読了です! いやぁ、桓騎将軍、かっこよかったですね。「待ってたぜ」の余裕と、あの最小限の動きだけで勝ち切るところがもう…。力任せじゃない、心を読んだ戦い方に痺れました。凱孟の「認めよう」の潔さも胸に沁みます。そして次はいよいよ李牧とシヴァの頭脳戦! これはもう眠れそうにないですね…!