⚠️初めに⚠️
暴力表現やグロテスク表現などがあるかもしれませんので注意です。
ほとんどの話は自分の実話をベースに書いていくのであまり悪く言わないで貰えたら幸いですm(_ _)m
苦手な方はブラウザバックよろしくお願いします🙏
ーーーーーーーーーーーーーーー
鼻筋が冷たく体が冷えて気だるい金曜日。
私は瞼をゆっくりと開け、一日が始まる音がし一瞬顔を顰めた。気温は低いのに窓から差し込んでくる強い陽の光はいつも私の気持ちを闇で覆う。
今日は9月最初の日。10年前、私の人生がいい意味でも悪い意味でも大きく変わった日だ。部屋を見渡しながら足に力を入れ真っ先に台所に向かった。初めて自ら命を経とうとした日から10年が経った。時の流れは怖いほど早いものだ。
私は冷蔵庫を開け片手にたこわさ、もう片手にはストゼロを持ち机に向かった。
「朝からビールとは贅沢だねぇ〜♡♡」
気持ち悪い独り言を言いながら喉を鳴らす。
20歳の今、私にはやらなきゃいけないことがある。10年前の自分に手紙を書く事だ。あの手紙を、時空を超えた手紙を私は”ちゃんと”書き上げなければいけない。
「今日本当はバイトなんだけど、、ま、いっか!」
後先のことを深く考えない性格をしている私は早速考えることを放棄した。頭が悪い、仕事もない、ぐちゃぐちゃな1LDKに住んでいて、絶賛もやし生活中の私がバイトを無断で休む。普通に聞いたら引かれるほどやばい状況だ。でもそんな状況でも私の頭の中には「手紙」のことでいっぱいだった。
「どんな言葉から始めようか。」
薬瓶や、拭き終わったティッシュなど汚い机に無理ありスペースを作った。とりあえず思いついたことを書き出してみよう。たこわさを口に放り投げながら私は頭をフル回転させ考えた。
『━━━━って言われたあの夜。』
10歳の頃の私。私が推しに出会い救われた年。親との関係がめちゃくちゃ悪化した年。
正直何も知らない10歳の少女が耐えるのはあまりにも過酷な環境だった。
『━━━━━━━━━ください。』
そこからも何度も分かり合おうと歩み寄るがどんどん心が傷ついて何かが良くなるどころか追い詰められ毎晩泣く日々。
『私にはもう━━━━━━━━━』
起きて眠るだけで精神がすり減っていき、誰にも相談出来ずに時間が進んで行くのをただただ恨んでいたあの日。思い出せば思い出すほど呼吸は荒くなり字は殴り書きになっていく。過去最高に言いたいことをハッキリ言えた恨み言ばかりの手紙になった。まぁ、最終的には破いちゃって書き直したんだけどさ。
9月1日。子供が自ら死を選ぶのが最も多くなる日。20歳になっても私は昔から何も変わってない。ただ年齢を重ねただけで大人なんかなれていない。
少しでも可愛いまま終われるように今までにないほどの最高なメイクをして髪をくくりベランダの柵に腰を下ろした。ささやかな風は朝とは比べ物にならないほど気持ちがいい。タバコを吸い、ビールを飲み干しながら少し黄昏れる。
「今の私って最高にかっこいいのでは?」
とか思いながら誰も見てないのにカッコつける私。少ししたら曲を流して私はベットに倒れ込むようにゆっくりと天に身を任せた。
ここは19階。心がキュッとし、それほどの高さから飛び降りればもちろん周りの音なんて聞こえない。それでも意識が薄れていく中、流れていた曲は10年前から大好きだった曲だ。この曲を聴きながら飛び降りるのが夢だったのだ。
「ふふっ幸せだn…((ぐちゃあ))
なんだか騒がしい。「人がせっかく死んでるんだから静かにしろよ。」頑張ってメイクしたのに顔はぐちゃぐちゃだったらしい。家族や友達は案の定泣いてくれたんだって。どーでもいいけどね。私が長年伝えたかったことを叩きつけてやったんだ。気分は割といいけどね。でも、、、やっぱりこっちは寒いね。
【 遺書 】
『10年間、追い続けた夢を叶えた!!ざまーみろ!』
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!