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静かな山林に響いていた鳥のさえずりは、パトカーのサイレンによって掻き消された。
土に埋まっていた遺体と凶器が警察官により、運び出された。全裸の女性の遺体だ。
「まだ若いな。よし、行方不明届に該当する者がいないか調べてくれ」そう他の刑事に指示をする者がいる。警視庁捜査一課の雪村警部だ。
「死因は刃物で刺された事から出血性ショック死かと思われますが、解剖に回します。」警部と共に来た岩本刑事が説明する。
「死亡推定時刻はどうなっている?」
「死後硬直から見て3日は経過しているかと」 遺体を診た検視官によって報告された。
「身元を特定するものはなしか。あるのは凶器として使われた包丁だけ。よし、近隣に聞き込みに行くぞ。」そう言い、現場にいた刑事数人が動いた。
聞き込みをした刑事達は各々捜査本部に戻った。
「聞き込みの結果、被害者を知る人物はいませんでした。もっと範囲を広げて捜査すべきかと。」
「行方不明届に該当する人物はいませんでした。念のため、前がないかどうか調べましたがありませんでした。」(前:前科の事)
「そうか。しらみつぶしに調べるしかないな。」
調べる事、3日後にようやく身元が割れた。
「被害者は神沼奈緒、24歳。茨城県石岡市出身で4年前から栃木県の宇都宮市のマンションに住んでいました。インテリアデザイナーとして働いていたそうです。今、榊原刑事と梅山刑事が職場に聞き込みに行っています。」そう説明しているのは、雪村警部の部下で仕事熱心な松本刑事だ。
「被害者の交友関係、男関係をあたってくれ。それと、被害者の家族について分かっている事があれば説明してくれ。」
continued