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第三十七話:湯煙の秘湯、白濁の霊海に沈んで
朧月館の新築された大浴場。そこは今、隠り世の理が崩壊し、濃密な「雄の香り」と「雌の熱狂」が渦巻く異界へと変貌していた。
湯船に身を沈め、カノンの設計した霊力循環システムによって体温が限界まで引き上げられた僕の体。そこからは、金角の王としての絶大な魔力が、単なる汗を超えた「黄金の雫」となって、白磁の肌を絶え間なく滑り落ちていた。その一滴一滴が、彼女たちにとっては魂を震わせる至高の聖水であり、抗いがたい「発情」を誘発する猛毒でもあった。
「――はぁ、……っ。旦那様……。あぁ、なんて……なんて濃密な匂い……。もう、一滴も、一分も、我慢できないにゃ……っ!」
お凛が、喉を鳴らしながら僕の右腕に食らいついた。彼女は僕の二の腕を伝い落ちる黄金の汗を、陶酔した表情で、まるで極上の酒を嗜むように丹念に舐めとっていく。その瞳は完全に野性の獣のそれへと変貌し、濡れた猫耳が激しく痙攣していた。
「ふふ、お凛ちゃん……独り占めは、めっ、だよ? ……あるじ様ぁ、……見て。わたくし、喉がカラカラなの。……あるじ様の熱いの、わたくしにぜーんぶ、ちょーだい?」
見た目は艶やかな大人でありながら、その内面に「執着心の強い幼子」を飼い慣らす雲華が、僕の股の間に割り込んできた。彼女は、僕の胸元から腹筋の溝を伝って流れる雫を、細い指先で愛おしげに掬い取り、それを自らの小さな舌に乗せて、脳を痺れさせるような恍惚の声を漏らす。
「……あ、……あぁ。……美味しい……。あるじ様の『熱』が、わたくしの身体中に染み渡っていく……。もっと、もっと……奥まで、かき混ぜて……壊れるくらい、愛して……?」
雲華は僕の太腿を枕にするようにして、その濡れた瞳で僕を見上げる。その幼くも残酷な欲望に満ちた視線に、僕の背中を言いようのない快感の電撃が走り抜けた。
「ちょっと! 雲華も猫女も、旦那様を勝手に消費しようとか万死に値するし! 旦那様の成分は、エンジニアのアタシが一番近くで……直接、採取して、管理するのが『朧月館のルール』だし!」
カノンが、顔を真っ赤に茹で上がらせ、湯船を激しく波立たせて僕の正面からしがみついてきた。彼女の柔らかな胸が僕の肌に密着し、互いの汗が混ざり合い、ぬるりと滑る。彼女は僕の肩に顔を埋め、溢れ出す黄金の雫を直接その唇で受け止め始めた。
「……主様……。……熱い……。……私も……欲しい……我慢……できない……」
背後からは小雪が、氷のような肌を隙間なく密着させてきた。彼女の冷気が、僕の火照った体とぶつかり合い、爆発的な霊力の余波を生む。彼女は僕の首筋に浮き出た血管をなぞるように、その甘い汗を吸い取っていく。
だが、彼女たちの渇望は、肌を伝う汗だけでは到底収まりきらなかった。
彼女たちが求めているのは、あるじの霊力が最も純粋に、かつ暴力的に濃縮された「精液」。それを自らの胎内に、そして全身の肌に浴びることで、真の意味であるじと「融合」し、永遠の加護と快楽を得ようという、本能的な「種の渇望」が、11人の乙女たちの理性を完全に焼き切っていた。
「旦那様……。汗だけじゃ、もう満足できませんわ……。あなたの、もっと濃くて、もっと熱い『命の源』を……わたくしたちの中に、注いで……っ」
瑞稀が妖艶に微笑み、僕の理性を断ち切るように、その熟練した指先で僕の「王の証」を愛撫し始める。
「あるじ様……。……逃がしませんわよ。……あるじ様の全部、私たちが搾り取ってさしあげます……!」
伊吹が僕の両腕を鉄鎖のような力で固定し、紅羽が「天狗の誇りにかけて、最後の一滴まで愛してあげるわ」と、僕の耳元に熱い吐息を吹きかけ、その鋭い犬歯を立てた。
「……ぁ、……っ。みんな、待っ……そんなに一気に……っ!」
僕が叫びを上げた瞬間、11人の乙女たちが一斉に僕へと群がった。
代わる代わる重なり、絡み合い、僕の体から溢れ出すあらゆる「雫」を啜り、そして欲情の極致で解き放たれる黄金の雫を、彼女たちは一滴たりとも零さぬよう、貪欲に、そして献身的にその身へと受け入れていく。
――ドクンッ、ドクンッ……!!
金角が激しく明滅し、僕の限界を超えた霊力が、黄金の精液となって勢いよく解き放たれる。
一人、また一人と、女王たちの奥深くにその熱い「王の命」が注ぎ込まれていくが、彼女たちの強欲さは止まるどころか、ますます過熱していった。
「あはっ、……あるじ様、いっぱい……いっぱい出てるよぉ……。……ねえ、もっと……もっと出して? このお風呂を、あるじ様の色でいっぱいにして……わたくしたち、その中で溺れたいな……?」
雲華が僕の腹部を愛おしげに、そして強引に揉み、さらなる放出を求めて僕を刺激し続ける。
やがて、広大な浴槽を満たしていた透明な霊泉は、僕から溢れ出し続ける膨大な量の精液によって、見る間に白濁し、部屋全体に濃厚な雄の香りを放つ、完全なる「精液風呂」へと変貌を遂げた。
「見て……旦那様の命が、こんなに……っ。あぁ、身体中が旦那様の匂いで、旦那様の愛で満たされていく……」
瑞稀が、白濁した濃厚な湯を手で掬い、自らの豊かな胸元に浴びせかける。その肌は、旦那様の命を吸収して、さらに妖艶な輝きを放っていた。
狂骨は無言でその「白濁の海」に身を沈め、全身の毛穴からあるじの霊力を吸い上げるように目を閉じて震えている。
霰も、伊吹も、かつての女王としての矜持などどこかに捨て去り、白く濁った霊液を肌に擦り込み、至福の表情を浮かべていた。
「旦那様、これ……マジで……最高効率のリカバリーだし……っ。アタシ……もう、旦那様の隣以外、考えられないし……っ!」
カノンが僕の首にしがみつき、白濁した波の中で激しく腰を震わせ、僕の「命」を全身で享受していた。
僕は、11人の乙女たちにもみくちゃにされ、全身を彼女たちの舌と指先で愛撫されながら、白濁した霊力の海の中へと深く、深く沈んでいった。
搾り取られ、空っぽになってもなお、彼女たちの終わりのない献身的な愛撫が、再び僕の中に新たな熱を呼び覚まし、さらなる黄金の雫を溢れさせていく。
「……ふふっ、……あるじ様。……これでもう、逃げられないね……?」
雲華が僕の顔を覗き込み、精液で濡れた唇で、幼くも残酷なほどに美しい笑顔を向けた。
黄金の湯煙と、むせ返るような濃厚な雄の香りが立ち込める中、僕の意識は、無限に搾り取られていく霊力の恍心と、11人の愛に飢えた獣たちの熱狂の中へと、永遠に、永遠に溶けていった。
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