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「指輪に花?おめえ結婚でもw?」木下は言う。

斎藤はこれを見て気がついた。

「かもしれん」斎藤がそう言うと、手紙を開いた。

「ヒーローになりたい僕へ

未来の僕は千優を守れるヒーローなれてますか?なれなくても、忘れないでいてくれているかな?今の僕にはわからないけどこれで中学時代の千優との思い出はここにしまう。でも、大人時代はわからない。わからないこといっぱいだろ?いつか、千優と実を結んでくれれば今の僕は万々歳。それじゃあこれでおしまい」

「はっは〜なんかエモっ」木下は言った。

「あっ…!ちょっと来て」そう斎藤が言うと再度スコップを手に取った。

それから午後3時頃に皆解散した。斎藤の心のなかにはなにかモヤッとしているものがあった。

家へ帰り、持って帰ってきたタイムカプセルを棚の上に乗っけた。それから斎藤は真っ先にベットに飛び込んだ。そしてそのまま眠りについてしまった。

午後6時頃、目を覚ました。そして晩御飯を食べ風呂に入り、ベットで再度眠りについた。だがその時もなぜか千優のことが頭に張り付いて、忘れられなかった。なぜだろうか。忘れたいはずなのに。

翌朝。千優のことが忘れられず結果、3時間ほどしか眠れなかった。超寝不足な斎藤は本日、休日だった。もっと寝ることも考えたが斎藤はそうはしなかった。なぜならとある思惑があるから。まず、斎藤は同級生に電話をかけとあることを聞き出す。そして、聞いた住所へ車で向かう。ポケットにはあるものを入れて。そこは8階建てのマンション。斎藤はそのマンションの3階へ向かう。306と書かれた部屋の表札には「永原」とあった。斎藤は一つ大きな深呼吸をし、インターホンを鳴らした。

ピーンポーン

インターホンの音が鳴り響く。しかし、ドアの向こうから人が出てくることはなかった。斎藤は試しにドアノブを触った。すると、鍵がかかっていないことが分かり斎藤は焦り、中へ飛び込んだ。

「千優!!!!」

そう叫ぶ。そして、斎藤が駆けた先には天井から吊るされた輪っかになったの紐を手で持った黒く、乱れた長い髪を持つ女性の姿があった。そしてその女性の姿を見て斎藤は言った。

「千優!!死ぬな!!!」

台所近くにある大きな本棚には所狭しとマンガ本が並んでいた。斎藤は千優に向かって走った。千優はつま先立ちをしてもう準備をしていた。

「やめろ!!!!!!」

そう言っても千優は止まらなかった。そして斎藤は千優の体を押した。そして、自殺の台から落ちた。

「いたい…」

「おまえ…見ないうちに変わっちまったんだな!」斎藤はそう声を荒げて叫ぶ。近所迷惑なんてお構い無しだ。

「…匡一くん…もう貴方とは縁も何も無いの」

「だからなんだ。人が死のうとしてるとこを見て見ぬふりできるか!それが初恋相手だったらもっとだろ!」

「…私が初恋相手?どうでもいいの。私は死ぬと決めたのだから死ぬの。貴方は口出ししないで!!!」

「漫画の主人公がそんな事言うなよ!!!」

「主人公…?私はずうっとつらい。名前は読みにくい。それだけでいじられる。そこから派生して顔は変。口癖はきもいだの言われる。なんならいらないとか言われる。だったら私は死んだほうがいい。いないほうがいいんだよ。好奇心なんていつしかなくなったし、喜ぶ紐いつしか消滅した。生まれた目的も生きてていい理由もわからない。だったら……」

「主人公はいつでも俺達読者に希望を与えてくれる。大きな目標掲げてそれに向かって突っ走る。だったら永原千優っていう漫画の主人公はどうなんだよ!」

「……っ!なんで私が漫画好きって…?」

「そこにあるだろ?漫画が所狭しって並んでる」

「……」

「俺はぁ初恋相手のヒーローになるっていう夢に向かって突っ走ってたらしい。それだって最近知った。昨日ね」

「昨日…?」

「ああ。昨日はタイムカプセルを掘り起こしに行く日だろ?ほれ。お前のタイムカプセル」

斎藤はそう言い、ポケットからとある物を取り出した。

「え…?」

「くっしゃくしゃの紙は許してくれ。俺が悪い」

それから千優はそのくしゃくしゃの紙を広げた。そこに書いてあったのは手紙だった。

「未来の自分へ

未来の私はどうなってるかな〜想像できないや。でも自分で言うのも何だけど学力と運動には自信あるからとりあえず大丈夫かなって思ってる。

あと一つ後悔があるなら匡一君と別れちゃったことかな…?あのとき本当は好きだった。けどわかんないけど振っちゃった。それがいいって思っちゃったんだろうな〜いつかは匡一君とまた出会って付き合って結婚して子供産んでその子のことを一生懸命に考えていつか孫も生まれたらいいよね。でもそれはわかんないや。私はきっとまた過ちを犯すんだろうね〜この先が幸せでありますように」

すると、斎藤はポケットからあるものを取り出した。そして、こう言った。

「付き合ってください。俺が脇役として活躍してやります」斎藤の手には自分のタイムカプセルに入っていた戦隊モノの仮面のついた指輪に枯れた四本のガーベラだった。

「うん。結婚して!」千優の目には大粒の涙が流れていた。

予想外の言葉に驚くものの斎藤は焦らず答えた。

「分かった。結婚だ!」

その瞬間、千優は斎藤に抱きついた。

ヒーローになりたかった君へ

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コメント

2

ユーザー

最高です💞 面白い((o(´∀`)o)) 結婚までいくのか!? タイムカプセルの案がめっちゃ良すぎです💙(語彙力皆無

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