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💛side
あれは完全に無理してるな、
昨日の一件があっての今日。
案の定、柔太朗は休んだ。
休むだろうと薄々思ってたが。
保健室でのあいつは何処か危うかった。
放っておいたら簡単にどこかで消えてしまいそうな、そんな危ない状態。
本人はバレてないと思っているだろうが、抱きしめた時に身体が小刻みに震えていたし
顔色も良くなかった。
💛「……..帰り、見舞い行くか、」
きっと、来て欲しくないだろうけど。
親友の緊急事態ぐらい隣に居てやりたい。
四限が終わる予鈴が鳴って、号令の合図と共にみんなが一斉に動き出す。
あー、もうこんな時間か、
いつも隣にいる柔太朗が居ないとなれば、授業だって受ける気にもなれない。
他に特別仲が良い奴なんていなし、むしろこんな時は一人で十分だし。
教室の一番後ろで窓際の端っこを空けた一席。
頬杖をついて、雲ひとつない青空を見つつ
とりあえず、昼飯を食べようと…
「………..ださーーん、」
食べようと…..
「よしださーーーーん、」
💛「……………。」
お弁当を、
💙「よしださぁああああああああん!!!」
💛「うっっさ!!!!」
まずっ、
大きな声に引っ張られるように釣られて俺も腹から声を出す。
俺、クラスでこんなキャラじゃないんだけど。
よく言う陰キャが当然可笑しくなって大声を出すみたいな。
いや、誰が陰キャやねん。
痛いほどの視線を向けられ、教室になんか居られない。
せっかく一人で昼飯食おうと思ったのに。
💙「よっ、しっ、だっ、さーーーん♡」
あー、潰してやろう。
がたんっと席を立ち、リュックからお弁当と水筒をもって渋々歩き出す。
教室のドアをすーっとそれはまた静かに開ければ、
💙「わー!!おったおった!!」
付いているはずもない犬のしっぽまで見えてくる塩﨑が居た。
うっわ、だるいのと仲良くなったな。
💛「………なに。」
💙「うっわ、明らかに不機嫌やな」
そらそうだろ、俺は静かにランチタイムを楽しむ予定だったのに。
こんな声でか馬鹿のせいで楽しい楽しい昼休みが一瞬で消え去った。
💙「お昼一緒に食べよ、思て!!」
💛「別に一人でも良かったんだけど。」
💙「えー!吉田さん、可愛くなぁ〜い!♡」
うん、誰かこいつを潰すの手伝って。
💙「あれ?、柔太朗くんは??」
💛「来てない。体調不良だとよ。」
あ、そっか。と分かりやすくしょげる塩﨑。
ほんとに犬みたいなんだけど。
前世犬か?、こいつ。
💙「ならお見舞い行かなやね!、」
💛「一人で行ける。来んな。」
💙「うっわ、薄情なしやな。3人の仲やん!」
はぁぁ、とバカでかいため息をつく。
犬の躾がなってないと大変ってこういうことを言うんだな。
💙「あ、そーそー。俺ら二人で昼食べるんじゃなくてもう一人…..」
「きゃーぁあああ!!!」
きーーーーん、と耳を塞ぎたくなる女子生徒の黄色い声。
廊下に響いて反響して、尚更うるさい。
💙「あーぁ、隠れて来い言ったんになぁ、」
わらわらと女子生徒が群がり一気に道が塞がれる。
人が群がり気持ち悪い。
なんなんだよ、そんな歓声を浴びるやつがいるのかよ。
有名人か?、はたまた芸能人?
そんな奴、ここの高校には居ないはず…
🩷「ちょっ、ごめんね。通してくんない?」
💛「………..は???、」
💙「佐野さーーん、こっちやでーーー」
ちょっと、なんで呼んで!?
てか何であいつがここにッ!!!
🩷「おい太智!!、わざわざここの廊下通らなくても…..、」
さっ、と女子が指示に従って払い除け塞がっていた壁が開かれる。
塩﨑越しに目がバチバチにあって固まる。
…..は?、、
🩷「じん、とっ」
いや、ありえない、ありえない。
今いちばん会いたくない人。
💛「………わりぃ、塩﨑。昼予定あるんだわ。」
💙「え、??」
あー、逃げなきゃなって脳内が完全にあいつを拒否した。
元々俺、逃げ足だけは早いんだよね。
さっさとここは撤退して帰ろ…..
💙「ちょい、何逃げるんよ。」
💛「っ!?、逃げてなんかない!!、早く離せ!!」
💙「いやいや、ぼっちの吉田さんに予定なんか無いやろっ!!!」
おいおい、それ地味にディスってるぞ。
ぼっち言うなよ。
確かに今日柔太朗はいないけどさ。
うん、一緒に昼食べる友達もいないけどさ。
ぼっちは流石に無くない???
塩﨑からぐっ、と手首を握られ振り解けるはずが無い。
馬鹿力すぎるんだけど。なにこれ、ゴリラ??
💛「離せよッ!!、俺こいつのこと知らねぇから!!」
💙「嘘つきッ!!、完全に目ぇ合って反応してたやん!!、あれは逃れられん!!」
まさか塩﨑って昼飯食べるのは建前で本当は俺とあいつのよりを戻そうとでも
…..考えてるわけない、よな、、
💛「っ!!、俺はあいつのことはもう嫌いなんだよ!!」
女子生徒の歓声に負けないくらいのものすんごい大きい声。
しまった、と口を塞いだ。
だけど、これぐらいが丁度良かったのかもしれない。
💛「…….分かったんならほっといてくれ。じゃなきゃ、俺マジでお前のことも嫌いになるから。」
それを聞いて、やっと理解したのか手を簡単に離してくれる。
そーだよ。最初からそうしてろよ。
そうすれば良かったんだよ。
あいつ…、勇斗の顔なんか見れるはずがない。
見たら申し訳なさがきっと込み上げてくるから。
……?、
…..申し訳なさって何だよ。
別に俺本当のこと言っただけだし…、事実だろ?、嫌いって…
ズキんっ、
💛「い”っ、、、!?、」
💙「吉田さんっ??」
っ?、何だこの痛み。
胸の辺りが締め付けられるような痛み。
…気のせい、か。
💛「大丈夫、大丈夫だから。じゃあ、俺行くから…」
🩷「…俺、簡単に手離せる程良い性格してないんだけど。」
💛「………は、」
くっそ、完全に逃げ遅れた。
せっかく離れたと思ったのに、
再び手首をキツく握られ逃げることさえ出来ない。
💛「…っ”!!、離せよっ!、お前と話すことなんて一つもないからっ”!!」
🩷「無理。離すわけない。」
なんなんだよ、こいつっ”
俺がキレてる理由わかってんの??
ぶんぶん、と腕を振り回すが抜ける気配は一つもない。
むしろ、握る力が強くなっている気がする。
💛「まじでなんなの!?、聞いてただろ!!、俺はお前が嫌いだってっ”!!」
チクリ、と再び胸が痛む。
なんだこの胸をツンツン突き刺してくるような痛み、
俺、別に病気でも何でもないのに、
🩷️「頼む。少しだけでも話がしたいんだ、」
💛「やだっ”!、俺は何もないっ”!!」
いたいっ、いたい、
おねがい、だから
これ、…いじょうは、
俺だって、おれ…だって
💙「……。佐野さん、流石に離してあげてや。」
🩷「…………っ、」
💙「吉田さん、苦しそうやん?、」
外からずっと見てた塩﨑がすっ、と間に入ってくれる。
きっと見かねて助け舟を出していることに気づいたんだろう。
人の懐に簡単に入り込んでくるくせに、
こういう場の取り方は上手いとか、
明らかに後輩には見えない。
塩﨑に言われても尚、手首を握り続けていたが
何かを考え思ったのか歯を食いしばって、やっと離してくれた。
💛「……ごめん、塩﨑。」
💙「…別に俺はなんもしてない。ただ、見てられんやっただけやで。
こうなったのは元々俺のせいやから、」
いつもの笑顔は消え、初めて見た表情へと変わる。
あぁ、後輩にそんな顔させて、
俺なにやってんだろ、笑
感情とは裏腹に早いとこ、ここから立ち去りたかった。
……もう、話したくもない。
💛「…………っ”ッ、」
考えれば考えるだけ痛む胸。
別に今は誰も引き止めていないのに。
足取りは重く動かなかった。
🩷️「………っ、仁人ッ”、」
💛「……もう関わらない方が良いんだよ。きっと俺たちは。」
何に怒ってるのかさえも実際いえば分からないのかもしれない。
でも何処からかフツフツと湧き上がってくるこの気持ちに、
今はずっと振り回されてばっかだ。
……本当に何に怒っているのやら。
背を向けて歩き出す。
後ろなんて振り返るわけがない。
💙「……吉田さん。」
後ろからかかった言葉に少しだけ足が止まる。
早く行かなくてはなのに、
💙「……っ、待っとるから。帰り、」
それだけを聞いて再び歩き出した。
言葉の意味を深くなんて考えない。
待ちたいんなら勝手に待てばいい。
俺は気にせずに行くけど。
歩いてる最中もちくりちくりと突き刺される痛みが止まらなかった。
勇斗に対する否定的な言葉や考えが浮かぶ度にこの痛みは強くなっている気がする。
おれ、なにがしたいん、…だろう……?、
コメント
2件
うわぁぁ……すごい胸にくる、、😭 だいちゃんが間に入って止めるとこで「ぅうぇっはだいちゃんッ…」ってなった(?) 最初とぼっちの塩レのくだりが好きすぎて普通に笑った 笑笑 とにかく今回も最高ってことだね👍️ 続きめっちゃ楽しみすぎるッ✨️
うわ、第7話……めっちゃ胸にくるわこれ。仁人の「嫌い」って言葉が、言えば言うほど自分を傷つけてる感じがして、読んでてこっちまで痛くなった。塩﨑が間に入って「待っとるから」って言ったシーン、あれはグッときたな。仁人が何に怒ってるのか自分でも分かってないもどかしさ、すごく伝わってきた。続きが気になる……!