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✧≡≡ FILE_025: メール ≡≡✧
喧騒の止んだ深夜のキャンパス。
試験期間も終わり、人気のない大学図書館の一室で、総一郎はノートを閉じた。
最後のレポートを書き終え、帰ろうと鞄に手をかけたとき──
“受信1件”
携帯がかすかに震えた。
差出人:不明
総一郎は眉をひそめた。
「……不明?」
“迷惑メール”ではない。
不気味なくらい整ったフォーマット。差出人も、アドレスも表示されない。
そして、本文を開いた瞬間──息が止まった。
⸻
差出人:不明(アドレス表示なし)
件名:〈訃報連絡〉
本文:
⸻
夜神総一郎 様
突然のご連絡、失礼いたします。
あなたがかつて深く信頼を寄せた人物、Lawliet は、先日起こった研究所内の事故により命を落としました。
詳細は現時点で開示できません。
関係者として、まずはこの場を借りてご報告申し上げます。
深い哀悼とともに、
この知らせがあなたに届くことを願って。
⸻
読み終えた瞬間、背筋を何かが走る。
意味が、わからない。
でも、“何か大きなものが終わった”という予感だけは、確かにあった。
総一郎はすぐに返信しようとした。
だが、差出人欄は空白。
メーラーが跳ね返すように、宛先の存在を認識しない。
「……嘘だろ……?」
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