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時 間 は 止 ま る こ と な く 進 ん で い く 。
俺 達 も そ れ に 抗 え ず に 進 ん で い く 。
止 ま れ と 願 っ て も 、 過去 に 戻 り た い と 願 っ て も 、 理 不 尽 に 進 ん で い く 。
定 ま ら な い 未 来 よ り 、 楽 し か っ た 過 去 に 溺 れ て い た か っ た 。
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2月20日。
今日は青拓高校の編入準備の日で、俺たち生徒は学校が休みだった。
撮影もないということで、ゲームをしてた訳だが、ふと思い立って家を出た。
4月からみんなバラバラになる。
俺は1人になる。
実感わかないな。
今の日常が永遠に続く気がしていた。
2年間、あっという間だったと思う。
だけど、内容の濃い2年間だった。
クラスでいじめられたこともあったしメンバーに嫌われたこともあった。
死にたいと願ったこともあったし、大切な人を失うこともあった。
評価されることもあれば、貶されることもあった。
メンバーには沢山迷惑と心配をかけてしまった。
でも、その一方でメンバーのことも沢山知れた。
悩んでるのは俺だけじゃないって。
不幸なのは俺だけじゃないって。
みんな悩みを抱えて生きているんだって。
少し、感じた。
色々あったけど、ここまでやってこれたのはやっぱり部長を初めとしたメンバーのおかげなのかな、なんて。
駅に着き、電車を降りる。
スマホを片手に地図を見ながら歩く。
「1人になる」
この先のことはまだ考えていない。
やりたいゲームはある。歌にチャレンジしてみたい気持ちもある。
でも、それは漠然とした想像で。
高校での生活が永遠に続く気がする。
俺たちが卒業したらゲーム実況部はどうなるのか。そんなことを考えていた時期があった。
ゆーまが部長にでもなるのか。
それとも、高校を卒業してもみんなでゲーム実況をするのか。
そんな想像は全て壊された。
青拓高校を離れるなんて想像すらしたこと無かった。
今のメンバーと別れるとも考えたことすら無かった。
定まらない未来に不安を覚えながらも歩き続ける。
徐々に斜面が急になってきて、歩くのがしんどくなる。
これじゃこむぎに筋トレしろって言われちゃうなw
時間は止まることなく過ぎていき、俺達も抗えずに進んでいく。
その時間に逆らいたいと思っていた。
楽しかった思い出にずっと浸っていたかった。
頂上に着いた俺は思わず声をもらした。
「きれい…」
頭上には満点の星空。
都会とは違って山の上から見る景色は、空に宝石を散りばめたようだった。
その中に、一際輝く星を見つける。
「アイツだったりして…」
そんなことないと分かっていても、願わずにはいられない。
暗闇の中、1人、愚痴を漏らす。
「なんで先にいっちゃったんだよ、」
いつものあいつならすぐに反抗してくるだろうに、
此処は俺の声だけが響き、とても静かだった。
俺は静かにそこに寝そべる。
2月の山はまだ薄寒いが、それを忘れるくらい空が綺麗だった。
この景色をみんなで分かち合いたいと思った。
メンバーならなんて言うかな。
はるてぃーは叫んでそう。
うたは感動してるかな。
ゆーまは意外と静かに見てるんじゃないかな。
こむぎは…
きゅーは…
そーちゃんは…
何故だか涙が止まらなくなった。
どうしてだろう。
今まで必死に生きてきた。
なのに叶わない夢が沢山あった。
挫折する度にこの世の中を呪いたくなる。
“どうして俺だけがこんなに不幸なんですか”
って。
流れ星が光る。
何を願おうか考えているうちに、消えていった。
目を瞑る。
星の光も見えなくなり、真っ暗になった。
“お前はもう充分頑張ってる”
ッッ……
目を開けた。
きっと空耳だろうけど、今日だけは聞こえたことにしておきたかった。
先程の輝く星を見る。
いっそう輝いているように見えた。
“充分頑張ってる”
何を根拠にしたのか分からない。
でも、俺は嘘でも偽りでもいいから、その言葉を投げかけて欲しかった。
一時の安心と分かっていても、そう声をかけて欲しかった。
頑張っても頑張っても報われないこの世界が嫌だった。
でも、
誰かが俺の頑張りを認めてくれるなら_
俺の努力を見つけてくれるなら_
未来なんて分からない。
だから、自由に変えることが出来る。
過ぎ去る時間に流されるだけだった。
でも、これからは俺が時間を操る。
不安は沢山ある。
でも、失敗してもきっと大丈夫。
明日は明日の風が吹く。
「行ってくる」
まだ見ぬ未来へ。
俺は元来た道を戻り始めた。
明日からの希望を祈って。
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時 間 は 止 ま る こ と な く 進 ん で い く 。
俺 達 も そ れ に 抗 え ず に 進 ん で い く 。
止 ま れ と 願 っ て も 、 過去 に 戻 り た い と 願 っ て も 、 理 不 尽 に 進 ん で い く 。
そ れ な ら ば 、 そ の 時 間 を 乗 り こ な せ ば い い じ ゃ な い か 。
流 れ に 身 を 任 せ る の で は な く 、 自 ら 泳 い で い く の だ 。
未 来 な ん て 、い く ら で も 変 え て い け る 。
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( 祝 ) メ メ ン ト リ 3 周 年 _