テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
2件
私もメンヘラキヨちゃん大好きですヽ(*^ω^*)ノ
独占欲つよつよなヨーキー大好きなので最高です!
4話目もよろしくお願いします!
今回は少しセンシティブな表現があります。
ご注意下さい。
スタートヽ(*^ω^*)ノ
それは一度きりのつもりだった。
好奇心に任せて触れてしまったキス。
けれど――その温もりと反応を知ってしまった夜から、キヨの歯止めは完全に壊れてしまった。
毎晩。
部屋に戻ると、無意識のように人形を抱き寄せてしまう。
ダメだと分かっている。
見つかったら終わりだと、おばあちゃんの忠告も思い出す。
それでも、どうしてもやめられない。
「……レトさん……今日も、俺を感じてる……?」
囁きながら唇を押しあて、首筋を舐めるように辿る。
その瞬間、じんわりと伝わってくる “あちら側の反応”。
まるで自分の熱がレトルトの身体を直撃しているかのように、息が荒くなる感覚が返ってくる。
(……繋がってる。本当に……俺と、レトさんは……)
その確信に、胸が焼けるように熱くなる。
欲望は抑えきれず、ついには人形を抱きしめながら、自分の身体を慰めるようになっていった。
「はぁ……っ……レトさん……レトさん……っ」
人形の唇にむしゃぶりつきながら、手は止まらない。
「はっ、あっ……やばっ……もう、とまん…なっ」
手の動きに合わせて、ぬちっ、くちゅっ、と濡れた音が微かに響く。
「あぁっ……んっ、ああっ……レトさん.. 」
腰を小さく揺らしながら、指先の感触に声が震える。
胸がざわつくような感覚が広がり、全身が火照っていく。
「んっ、んあっ、あっ……気持ちいい、もう…っ、イくっ!」
ぴちゃっ、くちゅっ、と指と身体が重なる音とともに、呼吸が荒くなる。
熱と快感が体の奥まで染み渡り、全身が震えた。
「はぁっ……ああっ、やっ……っ、レトさ…すき….」
声は掠れ、汗が額や背中に流れる。
思わず身体をくねらせ、快感の波に身を任せる。
背徳感と興奮がないまぜになり、どうしようもなく深みに落ちていく。
毎晩繰り返すたび、レトルトが遠くでどんな顔をしているのか想像して、キヨは震えながら絶頂へと追い込まれていった。
(俺だけが……レトさんに触れてる。俺だけが……)
その危うい独占欲に酔いながら。
レトルトを支配できる様な、そんな感覚に酔いしれる毎日。
布団に潜り込み、硬いはずの人形を抱きしめながら、キヨは今日も熱に溺れていた。
「……はぁ……っ……レトさん……っ……」
「んっ……あぁっ、だめっ、もうっ……」
手の動きに合わせて腰を上下に小さく揺らす。
くちゅっ、ぴちゃっ、と濡れた音が響き、体全体が震える。
「やっ、あっ……あぁっ、気持ちいいっ……!」
息が荒くなり、声は掠れ、胸のあたりも小刻みに上下に揺れる。
快感がじわじわと広がり、指先の感触がさらに熱を増す。
「んっ、あっ、あぁっ……もうっ、イきそう……っ!」
上下の動きに合わせて、体が跳ねるように反応する。
小さく声を振り絞りながら、快感の波に身を委ねる。
繋がった感覚が確かに伝わってくる。
自分が唇を押し当てれば、レトルトもどこかで唇の熱を感じている。
自分が身体を震わせれば、レトルトもその昂ぶりに巻き込まれている。
その確信がキヨを更に深みに追い込む。
背徳の快楽に酔いしれ、夜が更けるほどにレトルトを独り占めしている錯覚に捕らわれる。
だが――昼間。
学校では、ただのクラスメイトに戻ってしまう。
後ろの席から見える横顔。
笑う声。
それらはすぐ手の届く距離にあるのに、決して自分に向けられることはない。
(なんで……なんで俺を見てくれないんだ……)
しかも――繋がった感覚を通して、レトルトが“誰か”に恋をしていることまで分かってしまう。
不意に伝わる心臓の早鐘。
誰かを思い浮かべているときの、甘く苦しい熱。
そのたびに、キヨの胸を嫉妬が焼いた。
(レトさん……俺が、こんなに触れてるのに……
夜は俺と繋がってるのに……なんで……)
悔しさと独占欲で押し潰されそうになりながら、昼間はただ黙ってレトルトの後ろ姿を見つめることしかできなかった。
一日中、レトルトのことだけを目で追っていた。
誰と話しても、誰と笑っても、胸がざわついて仕方がない。
(……誰なんだよ……誰にドキドキしてんだよ……)
けれど、答えはどこにも落ちていない。
観察すればするほど、焦燥は膨れ上がるばかりだった。
“もし誰かに取られてしまったら”という想像が、キヨを息苦しくさせる。
そして、その夜。
人形を抱き上げる手が、いつもより荒くなる。
「……レトさん……俺から逃げられると思うなよ……」
キヨの目は嫉妬に燃えていた。
唇を強く押しつけ、首筋に噛み跡を残すようにキスを落とす。
そのたび、感覚の先でレトルトの身体がびくつくのを確かに感じた。
(俺の….俺だけの……)
爪が食い込むほどに腕を掴み、耳元を舐めるように囁く。
「誰のこと考えてんの……? 俺以外に、触れられるなんて許さねぇから……」
抑えられない支配欲。
レトルトを奪われる不安を打ち消すように、人形を強く抱きしめながら、キヨは夢中で貪り続けた。
つづく