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まろとホテルの前で別れてから少しだけ暖かくなった夜道を歩いていくと後ろから声をかけられた。
「あ、アニキ!今からバイトだよね?一緒に行こ!」
そうだ、今からカラオケの深夜バイトに行く途中だ。今思うと、ヤった後にすぐバイトというものも中々にやばいものだ。相も変わらずフリーターに厳しいこの世の中。
「おん、そうやな。一緒に行こか。」
「やった!話しながら行こ!」
学生時代から何年も立っているが割と仏だけはまだまだ若いままな気がする。いつまでも学生気分と言うのか若い男のままで居られていると言うかで随分世渡りは違ってしまうものだ。
「ねぇ、アニキ?最近僕のお財布の中身が迷子なんだけど何か知らない??」
「最近、アニメイト行ったか?」
「推しの缶バッチ買った!」
「はい、それが原因。」
「あえ〜?」
「まぁ、でも仏は雇われて良い結果出せばかなりの金出してもらえるんやろ?」
「いやいや、命張らないといけないし僕の力不足も出ちゃうから全然だよ。」
「あれ?もう、仏の現役時代は過ぎたんか(笑)?」
「ハハッ、アニキには負けちゃうかもしれないけど僕もまだまだだから。バカにしないでねッ!!」
人懐っこい笑顔をしながら拳を前に出す仕草をする彼。その速さは音をも超えるレベル。これは割とガチ。某有名会長もびっくりの速さだ。世間一般では可愛いに分類されるような人間でもやはり、裏社会の人間である元獅子組二番隊特攻隊長仏。流石としか言いようが無い。
「アニキッ!危ない!!」
「うおっ、!」
仏に手を引かれ道から逸れるとすぐ隣を偉い速さで真っ白の自転車が通り過ぎて言った。乗っていたのは男だったがその割に似合わないピンクの可愛らしいカバンを持っていた。
「え、あの自転車やヴァくねwww?」
「ん、ほとけありがとうな。危なかったわ」
唐突な反射神経でいったら仏の方が上だった。自分も中々に動きは訛ってしまったものだ。
「アニキ!あの子!!」
「なっ!?」
仏の指差す隣の暗い路地を見るとボロボロになっている少年とその母親らしき女がいた。少年の方は薄汚いシャツと擦り切れまくっている半ズボン。女の方は比較的キレイめなニット服に綺麗な青色のシルクのスカートを履いていた。
「だ、大丈夫ですか!?」
「ひ、ひったくり、、です!!」
「、、、あいつかッ!!」
先程見た自転車の男。とても似つかわしくないカバンを持っていたあの男の事だろう。
「わ、私達はいいので、、あいつを追ってください!!」
目に涙を浮かべつつも般若と差程変わらない顔で必死に訴えてきた。これは、早くあの男を引っ捕まえとないいけないようだ。取り敢えず考えるより動くが先だ。
水島仏
元獅子組二番隊特攻隊隊長。ただのフリーターじゃないっぽい?
今回も短くてごめんなさい。咳が止まらなくてやばいのです。合計♡数1400越えありがとうございます!!