テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
兄に送ってもらい家に着いた私は、早々にお風呂に入った。
部屋着に着替えて岩泉さんとの約束通り、スマホの電源を付け、インスタを開いた。
(! もう来てる。)
【西川、これで合ってるか?】
〖? メッセージの事ですか?〗
〖合ってますよ!〗
私が送り返すと、直ぐに既読がつく。
【良かった。】
〖ネットとか、あんまり使わないですか?〗
【ああ。あんまり。】
〖笑〗
【なんだ?】
〖すみません。ちょっと可愛くて。〗
【? そうか。】
しばらく雑談した後、ずっと気になっていたことを切り出す。
〖話すことってなんですか?〗
【ああ。えーと、】
【今日は、有難かった。】
【聞いて貰って、すっきりした。】
〖ほんとですか!良かった!〗
【まあ、いちいち怪我すんのは忘れてねえけどな。】
〖・・・〗
【あと、答えくてもいいんだが、】
〖?〗
【西川って、好きな奴とかいんの?】
〖そーですね…。〗
〖今の所は居ないです。〗
【そうか。そろそろもう寝ろ。】
『はい。おやすみなさい!』
岩泉さんとの会話が終わり、ついでに私はインスタを巡回していた。
(あ。美味しそう。)
及川さんのお菓子ストーリーが目に留まる。
よだれをたらした私は、ハートを押して他のストーリに移った。
一通り巡回が終わると、さっきハートを押した及川さんからDMが届く。
【ゆりちゃん!ハート押してくれたね!!】
〖う、うん。〗
【ちゃんとタメ口笑】
【てかお菓子好きなの?】
〖結構好き!〗
【え〜笑】
【じゃあ俺と食べに行っちゃう?】
〖良いんですか!?〗
【ちょい!敬語!】
【もちろんいいよ〜!】
〖優しい!!!〗
【ふっふ!】
【じゃあ△△駅近くのコンビニで!】
〖え?〗
【あ、遠い?】
【じゃーあー…】
〖ちょちょ、今から行くの?!〗
【もっちろん!】
【ちゃんと来てね!】
〖わ、わかった。〗
【あ!男には気をつけて!!】
急な提案に驚いたが、とりあえず準備するしかない。
私は大急ぎで着替えて髪を縛り、家を出る。
『はぁ…はぁ、』
(やっと着いた。)
(ていうか及川さん急すぎる!!もー!!)
不満を持ちながらもコンビニに入った。
『あ、及川さん。』
「やっほー!ゆりちゃんごめんね。」
『ほんとだよ…。』
「まあまあ。及川さんが奢ってあげる!」
『やった!』
そう言われると私はすぐ不満が吹っ飛び、上機嫌でお菓子を選んだ。
お会計を済ませ、及川さんに手を引かれると公園に着いた。
ライトの下にあるベンチに並んで座る。
「おいしー?」
『うん。おいしい。』
「…髪結んでるの可愛いね。ゆりちゃん。」
急な褒めに狼狽えたが、この人はモテ男だと思い出す。
『う…。さすが言い慣れてるね…及川さん。』
「ん〜笑 違うんだけどなあ〜、」
『?』
「食べ終わった?帰ろっか。」
「もう遅いし、送ってくよ。」
『ありがとう!』
その後は雑談しながら2人で歩いて、家の前に着くと及川さんが私を呼び止める。
「ゆりちゃん。今日、俺がゆりちゃんをなんで誘ったのか分かる?」
『え、分からない。』
「…好きな人いる?ゆりちゃん。」
『いないよ。』
「じゃあ、これ俺なりのアタックだから。」
『え』「じゃね!」
私の驚いた声を遮るように、及川さんは挨拶して行ってしまった。
『え、ええぇぇ〜〜///』
<続く>
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!