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腐ったはんどくりーむ
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耀聖(ようせい)
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#世界が私を嘘という
EP.5 偽りの救い手
15時ちょうど。駅前の古びた図書館の3階、奥の資料室。
薄暗い本棚の隙間で瑞希を待っていたのは、かつて健太の友人だったという男、戸田だった。
「本当に来たんだね、瑞希さん」
戸田は周囲を警戒しながら、瑞希をさらに奥の死角へと促した。彼の顔には深いクマがあり、何かに怯えているように見える。
「手紙は読んだ? 前尾(元カレ)が死んだのは、事故なんかじゃない。あいつ……健太に精神的に追い詰められて、自暴自棄になった結果なんだ。健太は気に入った人間を自分の支配下に置かないと気が済まない異常者なんだよ」
戸田の言葉は、瑞希が抱いていた不信感と完全に一致していた。
「健太はね、君の前の恋人である前尾の存在が許せなかったんだ。だから今、君の記憶をぐちゃぐちゃにして、前尾の思い出を消し去り、自分だけの操り人形にしようとしてる」
「やっぱり……私の頭がおかしいんじゃなかったんだ」
瑞希の目から、ようやく理解者が現れた安堵の涙がこぼれ落ちた。
「これを持っていって」
戸田は瑞希の手に、小さなUSBメモリを握らせた。
「この中に、健太が前尾を追い詰めたときの音声データや、嫌がらせの証拠が入っている。これを警察に持っていけば、ストーカー行為や強要罪で健太を逮捕できるはずだ。今夜、健太が寝静まったら、中身を自分のパソコンで確認して、明日一緒に警察へ行こう」
「ありがとう、戸田さん……!」
瑞希はUSBメモリを強く握り締め、急いで家に帰った。
その夜、健太はいつも通り優しく微笑み、瑞希に温かいスープを差し出してきたが、瑞希はそれを飲むフリをして、健太が目を離した隙にすべて洗面所に流した。
深夜1時。健太の寝息が聞こえるのを確認し、瑞希はリビングで自分のノートパソコンを開いた。
震える手でUSBメモリを差し込み、フォルダを開く。
そこには『証拠』と題された音声ファイルが一つだけ入っていた。
ヘッドフォンを耳に当て、再生ボタンを押す。
『――だから、瑞希は僕だけのものなんだよ』
ノイズ混じりの音声。確かに健太の声だ。瑞希は息を呑んだ。
しかし、その後に続いた声を聞いた瞬間、瑞希は全身の血が凍りつくような感覚に襲われた。
『そうだね、健太。瑞希はあんな男と別れて正解だったよ。僕たちが、瑞希を正しい道に戻してあげないと』
その声は――今日、図書館で味方のフリをしてUSBを渡してきた、戸田の声だった。
さらに音声は続く。
『明日、図書館に呼び出して、偽の証拠を渡すよ。瑞希がそれを信じて警察に駆け込もうとした瞬間、僕たちが「妄想が行き過ぎて虚偽通報をしようとしている」って警察に突き出せば、瑞希は完全に社会的に終わる。そうすれば、もう健太、君から逃げられなくなるね』
スピーカーの向こうで、健太と戸田が楽しそうに笑い声を上げている。
すべては罠だった。
戸田は救い手などではなく、健太の共犯者。
このUSBメモリは、瑞希を完全に破滅させるための最後の引き金だったのだ。
「気づいちゃった?」
背後から、冷たい声がした。
振り返ると、いつの間にか起きていた健太が、暗闇の中でスマホの画面の光に照らされながら、歪んだ笑顔で瑞希を見下ろしていた。
高校祭終わりました!
めっちゃ楽しかった!
お化け屋敷とか脱出ゲームとか☺︎
コメント
1件
那月さん、EP.5読みました……! もうね、心臓バクバクです😭💔 戸田がまさか健太の共犯者だったなんて……「やっと味方に出会えた」って思った瑞希の安堵が、全部罠だったって知った時の絶望、想像しただけで胸が痛いです。 USBの中身を聞いてるシーン、ゾッとしました。 でもそれ以上に、背後から「気づいちゃった?」って言う健太の声が脳内に残って離れない……! 次、どうなっちゃうんですかね…応援しながらドキドキして待ってます🖤