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ああ、もう……この回、ほんとに良かったです。 ちゃんと話せてる、って言える関係、すごく尊い。 「弱いところ見せるのが怖くない」って照くんが言えたの、五年前から積み重ねてきたからこそだよね。 雨の屋根の下で「こういう足止めも悪くない」って笑う照くん、絶対昔は言わなかったのに……。成長したなあ。 離れる前の“穏やかさ”が切なくて、でも温かくて。また読み返したくなりました🥀🤍
異動まで、あと五日。
照は本社と支社を行き来する毎日。
辰哉も引き継ぎに追われ、お互い仕事が山積みだった。
だから。
恋人に戻ってからも、ゆっくり過ごせる日はほとんどなかった。
────────
金曜日。
珍しく二人とも定時で仕事が終わる。
エントランスを出たところで、照が足を止めた。
💛「今日、このあと予定ある?」
💜「ないよ」
💛「じゃあ、少しだけ付き合って」
💜「うん」
電車には乗らず、そのまま街を歩く。
夕方の空は淡いオレンジ色だった。
────────
辿り着いたのは、小さな川沿いの遊歩道。
ベンチがいくつか並び、人も少ない。
💜「こんな場所あったんだ」
💛「この前、本社の帰りに見つけた」
二人は並んで座る。
風が心地いい。
川の流れる音だけが静かに響く。
────────
💜「最近さ」
💜「ちゃんと話せてる気がする」
💛「うん」
💜「五年前だったら」
💜「こんなこと言えなかったかも」
照は頷く。
💛「俺も」
💛「今なら怖くない」
💜「何が?」
💛「弱いところ見せるの」
辰哉は少し驚いたように照を見る。
照は続けた。
💛「前は」
💛「頼られる側でいなきゃって思ってた」
💛「でも」
💛「辰哉には頼ってもいいって思えた」
辰哉は優しく笑う。
💜「今さら?」
💛「今さら」
二人で笑い合う。
────────
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少しして、辰哉が思い出したように口を開く。
💜「そういえば」
💜「高校の時さ」
💜「照って俺のこと迎えに来てたよね」
💛「毎日じゃない」
💜「ほぼ毎日だったじゃん」
💛「心配だったから」
💜「過保護」
💛「否定しない」
辰哉は声を出して笑う。
💜「変わってないね」
💛「辰哉も」
💜「俺?」
💛「笑う時」
💛「目なくなる」
💜「それ褒めてる?」
💛「褒めてる」
また笑い声が重なる。
────────
帰り際。
駅まで歩いていると、小さな雨が降り始めた。
💜「うわ」
💛「降ってきた」
二人で少し早足になる。
近くの屋根の下へ駆け込む。
雨脚は少しずつ強くなっていく。
💜「タイミング悪いな」
💛「そうだな」
照は窓の外の雨を見つめる。
そして、小さく笑った。
💛「でも」
💛「こういう足止めも悪くない」
💜「照らしくないこと言うじゃん」
💛「辰哉といるから」
辰哉は照れ笑いを浮かべる。
💜「最近そういうの増えたよね」
💛「抑えなくていいかなって」
その言葉に、辰哉は静かに照の肩へ寄りかかった。
ほんの一瞬だけ。
誰も見ていないことを確認して。
💜「……あと五日か」
照も小さく頷く。
💛「うん」
💜「寂しい」
その一言は飾らなかった。
照は辰哉の手にそっと触れる。
💛「毎日電話する」
💛「毎日連絡する」
💛「帰ってくる」
辰哉は照の手を握り返した。
💜「信じてる」
雨はまだ止まない。
けれど二人の間には、不思議と穏やかな空気が流れていた。
この時間があるから、離れても頑張れる。
二人はそう思えた。