「孔雀の羽を毟る」
白状しよう。彼を初めて見た時
『髪の最高傑作』という言葉が脳裏に浮かんだ
それ程までに彼は圧倒的に美しく妖艶な存在だったのだ
人の容姿に付いてとやかく言うのは不躾かもしれない
しかし、私は彼の容姿の中であの目が何よりも美しいのではと思う
強く美しい目力に圧倒され目を話せなく瞳
そこから少し上を見ると緩くウェーブの掛かった青色の髪が見え
徐々に下に目をずらしていくと整った鼻、赤い口
そして彼が男だと言うことを再確認する事の出来る喉仏
どこをとってもただ美しい
しかし、そんな彼も
私の食卓に並べば皆と同じ
血肉、皮、骨、羽毛で構成されたモノ
我慢しようとした
唾を飲み込み眺めるだけに留めていた
しかし
しかし…
眠っていた彼の喉を噛みちぎり彼の喉仏を強靭な顎と牙で噛み砕く
口元と手 を赤く染めながら彼の一部を食らいつけ、口付けをする
彼は抵抗するが所詮は被食者の抵抗
捕食者の私にとってはどうって事ない
どうせいづれ彼が彼は美しい孔雀の雌に彼が取られてしまうのであれば
美しい彼の一生を私の胃袋に入れ、私の血となり肉として
生涯の伴侶として愛す事が
私と彼の愛に違いない
《捕食者から被食者へと向ける愛情は唯の感情の乱れによるもので、その殆どが食欲がかき立てられ別の感情と勘違いした時に起こる》
コメント
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んわ……………待って語彙力消えた…元々無いけど
うぉ…… えっこれって薔薇ですか?()