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第5期 宇宙編
「お前たちの争いなど、我々には無意味だ。」
伊吹丸がSEDのコアに剣を振り下ろそうとした瞬間、突如として空が裂け、異次元の光が降り注いだ。空一面が不自然な静けさに包まれ、巨大な物体がゆっくりと現れる。それは、地球外からの来訪者――未知の宇宙船であった。
宇宙船から降り立った者たちは、まるで人間のような姿をしていたが、彼らの背中には光る羽のようなものが浮かび、瞳には何千もの星が映っているようだった。
彼らは自らを「オムニエル」と名乗り、宇宙の覇権を握る超高度文明の使者だった。
「我々は長きにわたり地球の進化を観察してきた。しかし、そろそろその終焉を迎えさせる時が来たようだ…」
オムニエルのリーダー、ゼウリアスは、冷たく無感情な声でそう告げた。
ゼウリアスの一言で、地球に点在するすべての軍事基地や兵器が次々と停止していった。SEDもまたその例外ではなく、その巨大な機体は地上へとゆっくり墜落していく。伊吹丸は剣を収め、その場でただ立ち尽くした。
「宇宙の覇権…それが目的か?」
伊吹丸は静かに問いかける。
「覇権ではない。この星の終焉を望んでいる。それこそが、宇宙の調和に必要なのだ。」
ゼウリアスの言葉には、感情も宿っていなかった。それは、人間や歴史が、ただの些細な出来事にすぎないことを示していた。
「宇宙の調和だと?ならば、俺は星の守護者として立ち向かうまでだ。」
伊吹丸は剣を抜き、異能の力を全開にした。「無」と「有」を操る彼の異能は、どのような存在にも対抗できる唯一の力だった。
ゼウリアスは、冷笑を浮かべることもなく、ただ静かに空を見上げた。
「人間よ、我々に立ち向かうというのか。お前の異能がどれほど強大でも、この宇宙の法則に逆らうことはできぬ。」
オムニエルの兵士たちは、伊吹丸を取り囲むようにして光の剣を構えた。だが、彼は微動だにせず、敵の攻撃を待っていた。
「来い…お前たちの宇宙の法則とやらを、俺が無に帰してやる!」
地球の存亡をかけた戦いが、今まさに始まろうとしていた。オムニエルの兵士たちと伊吹丸の剣が交わるその瞬間、空はさらに激しく揺れ動き、宇宙の力が地球を飲み込むように広がっていく。