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ナハザール暦492年、世界で、大きな混乱が生じた。
天は赤く、空間には亀裂ができアネーレ、そこからは見たことがない異形たちが飛び出しくる。
自然は荒れ、獣も魔物も街に攻め、世界は人々の悲鳴で包まれた。
なぜこんなことが急に起きたのか。皆がそう思ったはずだ。
その理由は、神々が住む世界、天界にあった。
この世界の外には、たくさんの世界があり、それを管理するもの、「神王《しんおう》」がおり、神王がいる世界は、「世外《よがい》」、たくさんの世界をまとめて、「箱庭《はこにわ》」と呼ばれている。
それぞれの世界には、神王がつくった神がおり、その世界を統べている。
つくったとはいえ、それぞれ自我があるため、神々同士でも争いが起こることがある。
今回もそうだった。
今からその経緯を伝えよう。
昔々、まだ人が誕生していなかったときの話。
そこには、ある美しい創造の女神ヴィアネーレがいた。
それに惚れた破壊の男神ラハールは、何度も何度も、ヴィアネーレに求婚した。
それに根負けしたヴィアネーレは、とうとうその求婚を受け入れた。
ほとんどの神々が2人の結婚を祝福した。
「ほとんど」は
2人の結婚を、妬む神がいた。
ラハールを惚れていた闇の女神カーラと、ヴィアネーレに惚れていた時空の神ハルサン、毒の神ワンロの3神だった。
この3神は、強すぎた愛が捻れ、憎しみへと変わってしまったのだった。
神たちは待った。
そのときが訪れるのを。
数百年後、ヴィアネ ーレが妊娠したことがわかった。
ラハールがどれだけ喜び、天界がどれだけ騒然としたか、いうまでもない。
2人を妬む神たちは静かだった。
まるで、嵐の前の静けさのように。
それからまた数年後、ヴィアネーレと、ラハールの女の子供が産まれた。
その子供には、アルシェリアという名がつけられ、神々がそれぞれ加護を付与した。
それを、カーラ、ハルサン、ワンロが遮った。
それから、大乱闘が始まった。
本来なら、勝敗は圧倒的だろう。
だが、なぜか、ヴィアネーレたちがおされていたのだ。
ヴィアネーレたちは、すぐにその理由がわかった。
カーラたちは、禁忌を働いたのだ。
本来、他の世界とは、世界の均衡が崩れる可能性があるため、関わってはいけないのだ。
だが、カーラたちは関わってしまったのだ。
恐らく、他の世界の神に協力してもらったのだろう。
その戦いは、3日3晩続いた。
多くの犠牲を出しながらも、カーラたちを封印することに成功した。
だが、それにより、ヴィアネーレが、昏睡状態になってしまった。
ラハールも重症で、療養が必要だ。
復帰するには、何年もかかるだろう。
その間、子供はどうするのか。
天界には封印したカーラたちがおり、万が一封印が解ければ、子供を守りきれる神がいないため、子供が死んでしまう可能性がある。
考えた末、下界におろすという方法に収まった。
人間に馴染めるよう、力に封印を施した。
その後無事、子供は、神々に見守られながら、下界におろされたのだった。