テラーノベル
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「ラウールの家って初めてきた」
「そうだよね。どうぞ、上がって?」
「お邪魔します」
部屋に入ると、へぇ〜と感心しながら室内をぐるりと見渡して、キッチンのほうへ目をやった。
「そういえば、自炊してるんだよね?」
って、興味深そうに覗いてる。
「あんまり見ないでよ〜」
「ごめんね。つい、キッチンって気になっちゃう笑」
「あ、ねぇ!今度料理教えて?」
「もちろん、いいよ!」
舘さんが家に居るってこんな感じなんだ。
可愛い生き物が迷い込んだみたいな、なんだこれ、変な感じ笑
それに、いくらメンバーとはいえ、隙だらけでしょ?
鈍感だから、危機感もないんだろうな。
「舘さんさ、めめとはどれくらいの頻度で会うの?」
「え?…えーと、どれくらいだろう?」
はぐらかしてるの?それともわかんないくらい頻繁に会ってるの?
照れくさそうに耳を触る仕草が、少し色っぽいなって思った。
「今日はめめんちでお泊りでしょ?」
「…ん、まあ。…ていうか、何の話?」
「恋バナ!聞きたいじゃん!どんな感じなのかなって」
「えー…。恥ずかしいから、やだよ」
大人のくせに、何その照れ方。
「何で照れんの?恥ずかしいことしてんの?」
「ねえ、ラウール、もうやめよ?その話…」
「いいじゃん。教えてよ、大人の恋愛事情」
「俺じゃなくて、目黒に聞けばいいじゃない」
「めめは惚気けるからめんどくさい!」
「あ、そうなんだ…」
照れるなよ、そこで。
ちょっと手を伸ばすだけで触れられる距離にいる。
押し倒すことだって簡単だし、無理矢理組み敷くことだってできる。
でも、最後の良心がそれを抑えてる。
「オレんちに来たって言ったら、めめ怒るかもね」
「そんなことないでしょ。怒る理由がないじゃん」
「そう?」
「メンバーとご飯行ったり家行ったりするけど、別に?何も言ってこないよ」
それ、オレ知ってる。オレに愚痴ってきてるもん。
オレは安全圏だと思われてるから、どちらもしゃあしゃあとしてるんだろうね。
その度に、オレどんだけ複雑な気持ちになってると思ってんの?
「……めめが怒る理由作ってあげようか?」
「え?」
今日はなんだか頭も体も鈍くて、まともに考えられない思考を持ち合わせてたんだと思う。
部屋に入ってからずっと立ったままの舘さんを、後ろからぎゅっとハグした。
オレより全然小さくて、すっぽりと収まってしまう彼に、胸がきゅうっとする。
バックハグなんて撮影ですることもあるのに、何でこんなにざわざわするんだろう。
「ラウール?…どうしたの、寂しいの?」
「違うよ!」
あくまで子供扱いか…。
オレにはロマンス感じないの?
少々荒っぽく、ソファに押し倒すと腕を押さえつけた。
さすがに少し驚いた顔で、オレをまじまじと見つめる。
その視線を真っ直ぐに捕らえながら、どろどろした気持ちが湧き上がるのをぐっと耐える。
「舘さん、隙だらけだよ」
「…ラウールが何したいのかわかんない」
「わかんない?…そんなんじゃ、簡単に襲われちゃうよ?」
キスしそうな距離まで顔を近づけて、唇に触れる直前で、耳元へちゅっと軽く口付けた。
「ひぁ…っ!?」
…なんて、可愛い声出すんだ。
調子に乗って、耳朶を甘噛みする。形をなぞるように舌を這わせると、肩をびくびくと跳ねさせた。
「っ…ゃ!んん、んっ」
待って、可愛すぎる
どこから出てるの?その声…
「舘さん、ここ、弱いんだ?」
執拗に、耳の周辺を責め続ける。首筋に唇を這わせて、首元まできたところでちゅっと吸い付いた。
「…っあ♡」
上擦った甘い声を漏らして、慌てて顔を逸らす舘さんに、心臓がドキッと跳ねる。
「…なに、今の。感じた?」
「!ラウール、もうやめて。離してよ」
「オレじゃ、イヤ?やっぱり、めめがいいの?」
「…っ!何、言って…」
僅かに震える唇に、そっと指を這わせる。
キスしたら、柔らかくて気持ちいいんだろうな…
柔らかい感触に誘われるように、ゆっくりと顔を近づけたとき、舘さんのポケットから電子音が鳴り響いた。
「電話…」
「出ていいよ?」
掴んでいた手を離して促すと、オレに組み敷かれたまま通話をタップした。
「…はい」
多分、めめだろうな。
「目黒、お疲れ。終わった?」
ほらね。
「え、もう帰ったの?早かったんだね」
あらら、めめ先に帰っちゃたんだ。
これ、問い詰められるだろうな…
「え、今?今…ラウールの家」
そこ、素直に言っちゃうんだね。
「うん、話があるっていうから…」
ちょっと、悪戯してやろうかな…
耳元から鎖骨へ、つつっと指先を這わせてみる。
「っ!…うん、もう帰る、よ。え?別に、何も」
くにくにと耳朶を揉んで、髪を耳にかけるように撫でた。
「〜〜っ、ごめんね、待ってて。すぐ、向かうから」
通話を終えると、呆れた顔してオレのほうに視線を向けた。
「もう、何やってんの。いい加減離して?」
「めめに問い詰められた?」
「何してんのって。言われただけ」
「怒られちゃうかなー」
「大丈夫。言わないから…。だから、もう離して」
あ、オレの心配してくれてる?
「…正直に言ってもいいよ?襲われかけたーって」
「言わない。だから、ラウールも余計なこと言わないの」
オレの唇にそっと指先を当てて、子供に言い聞かせるように「ね?」と念押しされた。
何それ、可愛いくせに大人ぶって。いや、大人なんだけど…
「はーい。わかったよ…」
体を起こし、舘さんに手を差し伸べて引き起こす。舘さんが起き上がると、首に手を回し引き寄せ、そっと唇にキスをした。
「っん…?!ん、ん…」
ゆっくり離れると、呆気にとられた舘さんの顔が、だんだんと赤く染まっていった。
「内緒にするなら、いいよね♡」
「いや…、は?」
「早く帰らないと、変に詮索されちゃうよ〜?」
「!誰のせいで……。もう!」
ソファから立ち上がると、乱れた着衣を整えて玄関へ向かった。
「舘さん、来てくれてありがとう。楽しかったよ♡」
「……また、話はゆっくり聞くから。今日のことは誰にも言わないで」
「え、また来てくれるの?」
「ちゃんと話聞けてないから。ごめんね、今日はもう帰るけど」
…真面目なの?鈍感なだけ?
自分が何されたかわかってるのかな?
「そういうとこだよね〜」
「?…何?」
「んーん。何でもない」
「じゃあね。お邪魔しました」
またねって、片手をひらりと振って扉を閉めた。
傷付けることなんて、できない。
でも、じゃあ、どうしたらオレをあの人の心に刻めるんだろう?
僅かな跡を残すのが精一杯で、優しくも酷くもなれない自分が情けない。
諦められたら、いいのにね…
…end
らう難しいけど楽しかったです!ありがとうございました♡
コメント
4件

ラウちゃん刹那‼️でもめめだて担なので推せないよ〜🥹
応えてくださっただけでも有難いのに、話も最高すぎて感無量です…ッ✨✨✨ ありがとうございました✨