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「ん…、」


眩しい光で意識が浮上する


「ぅぐ…腰痛い…」


鈍く痛む腰と背中はリビングの床で寝たからで

頭を抑えながら隣の男を見た


「おい、流星…りゅぅ……、」


前髪が降りて少し額が隠れていてある人物を彷彿とさせる



【一緒がいいなぁ。嬉しいな。一緒】


そう言って静かに目を閉じた、もう1人の流星


「っ……、!」


嫌だ


思わず寝ている流星の呼吸と鼓動を確認する

もはやトラウマに近く、寝ている姿を見るといつも心臓が早った


「…はっ、…よかった、」


思っていたよりも大切で、失いたくない感情に気がついてからは流星の行動を注視するようになってしまった


いや、あの世界のように俺は死んでいないし、流星だってあの流星のように追い詰められているわけじゃないというのはわかってる


わかっているが…


『ん”…、はょ……ひわの…、?』


―大丈夫?


流星は目を覚まし、いつもの間の抜けた顔と声でこちらを見る


同時に、中にいる流星も落ち着かない燈和野に気づいて心配の声をあげた



「…おはよう、コーヒーでも飲むか」


『んー…俺コーヒーより牛乳派!』


「あっそう……用意してくるから顔洗ってこい」


『まぁじ?!やりぃ〜!』


この男は、こちらがどれだけ気を張ってるか分かっているのか…いや、何も知らないから分かっていないだろうけど…


少なくとも俺の退院祝いで宅飲みのはずだが、病み上がりを労る配慮は微塵もないのだろう



バタバタと勝手知ったる我が家で洗面台へ向かう背中を見送りキッチンで軽食等を用意した



「まったく……まぁ、あの世界みたくなるくらいなら、この方がいいか」



どちらも救われないあの結末にならないなら


少しくらいは我慢してやってもいいだろう



『なぁに一人で笑ってんだ燈和野ぉ?』


「なんでもない。軽食できたから早く食え。」


『おっ!あんがとー!…なんか最近燈和野やさしーな?』


「気のせいだろ。」


『ふーん』


―ふふ、可愛いね、燈和野


うるさい


そしてまた普通の日々に戻っていく

失ってから気づく系の愛ってあると思うんです

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