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春の欠片が雪に降る

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春の欠片が雪に降る

6 - 第6話*まさかの再会、はじまりの朝*2

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2025年06月02日

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(……ちょっと調子乗って人生初のワンナイト的なこともあったけど、ま、まぁね!それはいいの、忘れるとして)


実際に働き出すのは今日、十月の一日からで……以前顔を合わせた関西支店の支店長以外のメンバーと顔を合わせるのも今日が初めてだ。


昔から環境の変化には弱い。というのに、二つ返事で大阪への異動を決めてしまったあたり相当現状に追い詰められていたということだろうな、とほのりは改めて己の決断を振り返った。


やがて目的の大阪駅到着を知らせるアナウンスが聞こえる。

電車を降りて、以前来た時に覚えた道をそのまま歩く。

後ろの方の車両に乗って、地下に降りる……通勤する人々の波に乗って改札を通り、さらに波に乗り続け人がまばらになってきた頃に階段を登ると、今日からお世話になる大阪支店のビルまで数分の距離に出て来られるのだけれど。


(ヤバいヤバい、息切れが……ヤバい)


まさか歳のせいだなんて思いたくもない。

緊張で動悸が凄かったせいだろう。そうに違いない。

言い聞かせつつも階段を少し登っただけで、ゼーハーと隠せない呼吸音が少し悲しいお年頃だ。

到着までに呼吸を整えなければと、階段を登り切り地上に上がる。

馴染みのない土地。

朝は秋も深まり何となく冷たい空気。


春の欠片が雪に降る

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