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2 ◇実の妹から夫を寝取られた姉
上りつめた踊り場で一旦動きを止めた。
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そしてそれから、妹の部屋の前までは息を殺し足音も消して
そっと歩を進めた。何か予兆めいたものがあったためだろうか!
すると、聞き耳をたてなくても聞こえてくるほどの音量で
あの閨の睦言に伴う声、妹や夫の悦びの声が聞こえてきた。
温子は一瞬どうすべきか迷ったが、不義密通の場面を見ておかなければ
ならないという胸の奥底から湧き上がってくる激情に抗うことができなかった。
障子を横に大きくスライドさせて叫んだ。
「あなた、この部屋で何してるんですか!」
温子の放ったこの一撃に、隙を突かれ怯むふたり。
特に温子の姿を目の当たりにし、夫の哲司の顔色が瞬時に変わった。
凛子がとろとろと身支度している様子を視野に入れつつも、温子の視線は
ずっと哲司を追い続けていた。
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