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図書館や宿で勉強をした。俺様が知らない事も多くあった。教本は、内容が細かく覚えるのに苦労した。商人としての規則や危険取扱品目などだ。
「…頭に入らねぇ」
「そう…」
「アイリスは…もう覚えたのか」
「覚えたよ」
もう…覚えたのか。アイツは俺様が買った教本をパラパラと目で追うように読んでいる。それでちゃんと理解しているのか…
「クッソ…」
「諦める?」
「諦めるわけねぇだろ」
まだ、やっても無いのに終われねぇよ。しかし、量が多すぎるな。計算内容も村で学んだ内容と比べ難易度が高い。
「はぁ…ここの公式覚えといたほうがいいよ」
「は…」
「…ほらここ」
片隅にある公式どう見ても、中央に書いてあるやつのほうが出そうだが…
「これに書き込むよ…」
「いいけど…」
書き込んだ内容は重要部分に記しを付けていったり、簡単な覚え方が書いてあった。
「本当にここを覚えるのか…」
そのほとんどが隅にあるものや大まかに書かれていないものばかりだった。
「相手は商人だからね…」
「商人がなんか問題があるのか」
「あいつらは簡単に合格させる気がない」
「なんで…」
「後でわかるよ」
俺様はよくわからないがアイリスが書いた場所を重点的に覚えることにした。簡単な覚え方が書いてあったので、わからない場所はそれを元に勉強していった。とてもわかりやすかった。アイツは…あの年でどのくらい量を学んだんだろう。知らないことが多い…
次の日、俺様達は商人ギルドへ向かった。徹夜で何とか覚えた。有耶無耶になる前に始めてほしいが、その前に待機場で待つことになった。
「準備が整いました。どうぞ試験会場へお入りください」
受付嬢に案内され、試験場へ行った。そこは村の孤児院に会った、勉強をする場所の似たようなところだった。机や椅子が人数分置いてあり、そこには5人ほどいた。どうやら自分ら以外にも試験を受ける人がいるようだ。その全員は若者や女性ではなかったので、逆に俺様達は浮いた状態になっていた。あちら側も俺様達みたいなのがいることが不思議そうに見ていた。中には怒りをあらわにしているやつもいた。
カンニング防止のために、 席はバラバラになっており机一つ空けて座るようになっていた。また、大きめの机を一人で使うようになっている。 俺様はアイリスの斜め後ろに座った。すると、試験監督が入ってきた。教本などの勉強道具は回収され、ペンなどの筆記用具は配布される。時間は、砂時計で行われ砂が落ちる前に解く必要がある。砂時計は大きめなので時間は十分にありそうだ。
「では、今から第一次試験開始」
内容は暗記問題の方が多かった。計算問題は、少ないが一つ一つが難問だった。村で習った計算以外がでており、徹夜で覚えて置かなければ危なかった。まだ、解いている途中のとき…
「終わりました」
(早っ!!)
アイリスは、まだ時間が半分しか経っていないのに解き終わっていた。中には諦めて終わらせたと思っていたが
「ちょっと待っていなさい」
その場で点数を付けられ
「合格だ」
((((((!!))))))
その発言はここにいる受験者たちを焦らせた。短い時間で合格とは…
(アイツは…ヤバい)
その後、俺様たちを含む6名が合格した。その中で満点合格だったのは
「お嬢さん…こんな短時間で満点合格なんて凄いね。私は始めて見たよ」
と試験監督は言っていた。その言葉を聞き受験者たちは耳を疑った。商人試験で短時間で満点合格なんて聞いたことがなかったからだ。俺様も満点ではなく合格点にいったぐらいだった。
「アイリスやべぇぐらいの優秀だったんだな」
「まぁね」
別に鼻を高くするわけでもなく、当たり前のように本人は受け取っていた。
不合格者は出ていき、次の第二次試験の内容が発表された。
「第二次試験は調達だ。箱から紙を引きその品もしくはそれ以上の物を用意するように」
順番に箱の中身を引いていく。書かれている、数字を試験監督に見せると
「君のはこれだな」
配られた紙には… A級冒険者が取れるレベルの内容が書かれていた。
『
・北方スノーウルフ
・ブラックサーペント
・ブラックスパイダー
など…
』
ブラックが名前に付くやつは大人数パーティーか高いレベルのやつが倒せるもの…
俺様の冒険者の級はBだ。これじゃ…倒すより、何処かで手に入れたほうが早い気がする。でも、この品は高くて有名だ。買うのに金がかかったでしまう。それなら…やはり俺様が取りに行ったほうがいいか…
そういえばアイツはどんな内容を…
「アイリスはどうだった…げぇ」
アイツの取った紙にはS級冒険者のレベルの内容が書かれていた。中にはドラゴンなど…
これ…無理なんじゃないのか。商人より冒険者専門のやつが取るべきもの…
「大丈夫か…」
「問題ない」
なら…いいけど。本人は別に困った様子は無かった。他のやつらも良い内容が当てられず、苦戦しているようだ。
「それでは、三日以内に持ってくるように」
この試験…合格者を出す気がないのか…