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" 感じ方 "  桃橙

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" 感じ方 " 桃橙

5 - 第5話

♥

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2024年03月30日

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桃×橙



第5話




「感じ方」








“俺今、桃に抱きしめられてる、”


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


橙視点




え。嘘やろ…。

いつもあんなに素っ気なくて、抱きつくこともなければ愛を伝えてくれることもない。


でも俺が愛してる彼が今、俺を腕いっぱいに温もりを体全体で与えてきている。


彼の肩に俺の頬が乗った状態。状況が把握出来ず、溜まった涙に耐えられなくて恋人の肩を濡らしてしまう。数時間前に抱きしめられたあの温もりよりもはるか超えている様に安心で包まれる。



やっぱ桃なんよな…笑。



俺はホントに桃の事を心から好きって感じてる。例え桃に伝わらなかったとしても。



幸せやなぁ…



顔全体が熱い。熱を持っているのだろう。今日で何度泣いた事か。今思えば恥ずかしいのかもしれないが、そんなの関係ない。我慢してたのだから。


今ならもしbadendで終わったとしても、ダメージが少ないのかもしれない。だからといってbadな結果で終わっていいなんて思わない。


この恋愛で後悔したくない。相手を傷付けたくない。


今目を合わせて喋ることは出来ないだろうと思い、少しだけ肩から距離を置く。

それに反応した桃は頭を撫でてくれるが、それと同時に俺の顔を覗こうとしてくる。辞めろと言わんばかりに先に口を動かしたのは”桃”だった。



桃「…橙」



橙「……“なんや…?」
















桃「愛してる」










その言葉を聞けただけで嬉しかった。

今俺の顔は誰が見ても照れてると言われる程の顔をしているのだろう。

でもバレたくなくて、必死に堪えようとする。

限界や。言わせてもらうからな。



橙「…愛してるなら、もっと、愛情表現してくれてもいいんちゃうん…。」


橙「俺、桃のその一つ一つの行動に迷わされて、ずっと我慢してんからな」


桃「…」


橙「…黄ちゃん達に言われた。」


他の男の名前が出た瞬間目を丸くする


橙「『桃くんは橙くんのこと大好きだと思うよ』って」


橙「『橙くんと付き合ってから桃くん変わった』って」


桃「…っ」


橙「勿論、良い風にな。」


橙「…橙くんはホンマに桃くんのこと好きなんですかって」


桃「っ…!」


橙「どう思ってるのって、聞かれた。」


橙「俺は、桃のこと好き。やけど、その場で自信もって好きなんて言えへんかった。」


桃の表情が緩む。悲しませてもうたかな


橙「でも、好きじゃないなんて言いたくなかった」


橙「だから俺は、好きやけど、ホンマに好きでいてええんかわからんくて困ってるって。伝えた」



何か言いたそうな顔しとるわ。待て。俺が先や。


橙「俺と一緒に居るようになった桃は、桃が桃らしくなく見えるって。」


橙「どうしても、活動で言っていたこととかが気になってしもて、安心して付き合うことが難しかった」



橙「でも。それでも、俺は桃が好き。別れたくあらへん、…離れたくもあらへん。…嫌や、」



橙「…グス、桃…好きや。大好きや、…ポロ」


橙「お願いやから、…好きでおって….」


俺は今、今までにないほど涙でぐちゃぐちゃだろう。桃に俺から強く、離れて欲しくないって気持ちで、強く、だけど弱く、抱きしめた。



桃「…離すわけねぇだろ、離させるわけないだろ」


桃「俺とお前でもちゃんと悩み、抱えてるものはあったんだな。笑…ごめんな。」


…桃ちゃんの悩み…か、。


俺は今そんなん聞ける余裕ないわ…笑。俺の方からもこちらこそごめんな、


段々睡魔と抱きしめられる温かさが心地よくて眠くなる。薄ら聞こえる鼻をすする音。少し震えている恋人。きっと泣いとるんやろうな。


流石に耐えられなくなり、俺は目を瞑る。最後に聞こえた言葉は変わっていない。


桃「…橙、好きだ、あいしてる、…。」


はっきり聞こえたなぁ、、俺は嬉しい以外の感情は出てこなく、そのまま桃の腕の中で眠りについた。きっといい夢を見るんやろう。


桃視点


俺の中で橙は眠りについた。

荒い息をしながら涙と少しの汗、泣いた衝撃で少し目が腫れ顔全体を赤く染め、薄らと幸せそうな顔をしている。

自分の情けなさと弱々しい橙を見て自分が本当に憎い。なんでこんなことしか出来なかったのか。



なんでもっと愛を伝えられなかったのか。



優しい橙ならきっと自分を責めるなって言ってくるだろう。でも今はそんなたったの想像で甘えちゃいけない。


このままだと俺の体も痛くなるだろうし、橙にも寝心地が悪いだろう。そう思い、ベッドまで連れて行った。

ゆっくりベットに降ろし、布団を被せてやるとふと橙の言葉が蘇る。



『自信もって好きって言えへんかった』



『桃が桃らしくないように見えて、』



『桃好きや、、だいすきや、』


あぁ、俺最低だな。安心できる環境を第1に作ってやらなきゃいけない存在なのになんて事してんだ。俺らしくない、そんなの自分が1番わかってる。って言いたい所だが、わかってるなら直せたって話。俺が悪い。




本当に橙の隣で居ていいのだろうか。





いや、俺じゃなきゃだめ。自分が折れてどうするんだよ。今から直せばいい。ここで終わりなんかじゃないこれこそ、俺らしくない。橙はちゃんと認めてくれる。褒めてくれる。尊重してくれる。笑顔でいてくれる。


そこを見て好きになったんだろ。好きになったからには責任を持て。



そう自分に叩き込んだ。



今は3:15 AM。

流石の俺でも眠い。いつの間にか寝返りを打ったのか橙が背を向けている。


同じ布団の中に入り、橙を後ろから抱きしめる。

深く、深く。


橙の甘い匂いと、温かくなった橙に安心して眠りにつく



あいしてる。



いい夢見れるようにな






┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


次回最終話













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コメント

5

ユーザー

ほんとになおちゃんの作品大好き😭 見てて幸せです☺️

ユーザー

待って最高すぎん(⁠●⁠♡⁠∀⁠♡⁠)

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