テラーノベル
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昼休み。相談室。教室で行われた“持ち物チェック”があまりに雑で不公平だったため、3人が愚痴っている。
蓮司「いや〜今日のアレ、意味あった? “校則確認日”ってやつ」
遥「マジで。俺だけ三回くらい回収されたんだけど。なんで“赤い靴紐”が違反なんだよ」
日下部「蓮司は? なんも言われてなかったよな」
蓮司「俺は“清潔感”って言葉で済まされた。“蓮司くんはいつも整ってるね”って」
遥「“整ってる”ってなんだよ! 見た目か!?」
蓮司「まあ“信用ポイント”ってやつだな。俺、“見た目で怒られない枠”だから」
遥「……俺、“怒られとけ枠”かよ」
(少し沈黙)
遥「てかさ、髪型とか持ち物とか、“ちゃんとしてるか”の基準、
ほんとは“誰が言うか”じゃん。俺が同じリュック背負っても、“だらしない”って言われるし」
日下部「……あった。小5の時、ボロい筆箱使ってたら“家庭に問題ありそう”って保護者会で言われた」
蓮司「え、それ教師が? 最低だな」
日下部「いや、隣の保護者」
遥「それ余計ムカつく。教師より怖えじゃん」
(沈黙。ふと)
蓮司「……でもさ、“制服ちゃんと着る”とか、“髪整える”とかって、
ある意味で“盾”じゃね?」
日下部「盾?」
蓮司「そう。“やばい奴扱いされないためのプロテクター”。
俺は“清潔に見せる”ことで、生き残ってきたんだよ。中学の時とか特に」
遥「はぁ……
おれ、盾とか持つ前に“戦場”にいたから、最初からボロボロだったんだよな」
蓮司「だから、“盾を持たない奴”にルールは容赦ない」
日下部「……遥のリュック、俺はかっこいいと思ったけどな」
遥(ぼそ)「おまえ、そういうの黙ってるくせに……ずるいわ」
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