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放課後の相談室。誰かがぼそっと「クラスで告白されたやつがいたらしい」と言い出して──。
蓮司「はいはいはい〜、恋バナタイム入りまーす。
本日のお題は、“お前ら、誰かに告ったことある?”」
遥「は? ねえよ。てか、気持ち悪いなその入り方」
蓮司「えっ、なんで? お前だって中学の時、女子と帰ってただろ、あれどうなったの?」
遥「……ただ一緒に帰っただけで、そう見られんのかよ。
そのあとそいつ、俺の鞄、蹴ったからな。物理的に」
日下部「……」
蓮司「なるほど、“告白じゃなくて戦闘フラグ”だったわけね」
遥「なんでそんな当然みたいに話すんだよ、てか“恋愛”ってそんなみんなやるもんか?」
蓮司「やらないのは自由。でも“興味すらない”ってのは、ちょっと珍しいんじゃない?」
遥「別に、なくても生きてけんだろ。
ってか俺が誰か好きになったら、それだけで“ネタ”にされるんだよ。
それ、わかってて言ってんだろ、おまえ」
蓮司「……おっかねえな。
安心して? 俺は人の“好き”をバカにする趣味はない。ただ、“観察”するだけ」
遥「それがキモいって言ってんだよ」
日下部「……」
(沈黙。空気が少し重くなる)
蓮司「……じゃあ逆に聞くけど。
誰かに“好かれた”ことがあるとしたら、お前はどうすんの?」
遥「……捨てる。
その人ごと。俺を選ぶ時点で、見る目ないってことだろ」
日下部(ぼそっ)「それ……本気で言ってるのか」
遥「本気もなにも、俺が“まともな人間じゃない”ってことぐらい、
おまえらが一番知ってんだろ」
蓮司「“まともじゃない”人間同士で惹かれ合うこともあるけどね」
遥「だからそれが“怖い”んだよ、バカ」