テラーノベル
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その時だった。
スタジオの入り口が、急に華やかな空気に包まれた。
スタッフたちが色めき立ち、入り口の方へ視線を送る。
「お姉ちゃーん! 差し入れ持ってきたよ!」
その明るい声に、私の心臓が冷たく跳ねた。
振り返らなくてもわかる。妹の芽衣だ。
彼女は、持ち前の愛嬌でスタッフたちに笑顔を振りまきながら、一直線に私たちの元へやってきた。
「……芽衣。どうしてここに」
「お姉ちゃんが頑張ってるって聞いたから、応援しに来ちゃった」
芽衣は私の腕にぎゅっと抱きつくと、すぐ隣にいた御子柴さんに、キラキラした瞳を向けた。
「あ、あなたが噂の御子柴さんですか?すごーい、お姉ちゃんから聞いてた通り、本物もすっごく素敵……!」
芽衣が、上目遣いで少しだけ首を傾げる。
それは、どんな男の人も一瞬で虜にしてしまう、彼女の必勝パターン。
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