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マリアの末裔のメッセージに大いに勇気づけられた。

そういえば、息子たちが妻を追い出したという前回の報告に返事をしていなかったことを思い出した。


今日 14:01

春岡鉄雄さん、大勝利目前おめでとう!

ただ、離婚届の受理でゲームセットだ。気を抜くのはまだ早いけどな。

ところで実はおれの方も表向き円満夫婦を装っていたが、水面下でパートナーとバチバチやり合っていた。おれのうちに住んでいるのに、パートナーはおれだけ身一つで追い出して、家も子どもも財産も独り占めしようと画策していたんだ。ずっとやられっ放しだったが、ようやく反撃態勢を整えたところだ。世の中正義が勝つとは限らないが、この人妻キラーに敗北はない。

どうだろう? お互いの戦いが終わったら、勝利を祝って二人で乾杯でもしないか。

世界で一番うまい酒は慰謝料で飲む酒だと聞いた。それが本当かどうか確かめるいい機会になりそうだ。


今日 14:14

知恵子さんのレジェンドの人妻キラーさんに二人だけの飲み会に誘っていただけるとはこの上もなく光栄です。それにしても人妻キラーさんも奥さまとそんな大変な戦いの真っ最中だったのですね。忙しい中相談に乗っていただき本当にありがとうございます。あなたと会える日を楽しみに、この落ち着かない日々を乗り越えていきたいと思います。


その日の夕方、陰キャのチー牛という相談者が久々に投稿していた。清楚に見えた新妻が結婚前はサセ子だったと知ってショックで家を飛び出した男だったか。私は彼の相談には回答しなかったが、今回の彼の報告を興味深く読んだ。


(相談)子はかすがい (トピ主)陰キャのチー牛

(投稿日時)10月10日17時49分

先日相談させていただいた者です。

決着したのでご報告させていただきます。

僕と結婚するまでサセ子だった、と妻が友達と電話で話しているのを聞いてネットカフェに逃げました。翌日、誤解を解きたいというので誤解ならいいなと思って会うことにしました。待ち合わせ場所の居酒屋に妻は女友達を伴って来ました。前の晩の電話の相手だそうです。

妻の友達ということはどうせ妻をかばうのだろうと思ったら、意外なことに友達はいきなり妻を叱責しました。

「今不倫してるわけじゃないとあんたは言うけどさ、過去に遊びまくってたやつなんて男でも女でもダメだよ。変な病気持ってるかもしれないし、それより何より浮気性そのものが病気みたいなもんだからね、またやらかすんじゃないかって旦那さんに思われても自業自得だよね!」

目の前で友達同士のケンカが始まりそうな雰囲気。ケンカなら僕がいなくなってから好きなだけやってくれと言おうとしたとき、妻が泣き出しました。

「アカネはかばってくれるんじゃなかったの? 私だって悪かったって思ってる。そんなに責めなくたってえ……」

「なんであたしがあんたをかばわないといけないの? 高校時代からムカついてたんだよ。今度の男は前の男と比べてどうだこうだって。そんなイカれた話ばかり聞かされてさ。あんたは本当は自分と同類のチャラ男と結婚すべきだったんだ。それなのにこんな真面目そうな人を騙して、結婚までさせちゃって。あんたにできることは旦那さんの言う通りに離婚してあげることだけだよ!」

僕は逃げ出しただけで、離婚したいと言ったことはないのですが……

アカネという友達の口から離婚という一番避けたかった単語が出てきて、妻は子どものように号泣しました。あまりの大声に店員まで駆けつけてきました。

「アカネさんでしたっけ? お怒りは分かりますが、妻の言い分も聞いてあげましょう」

一番怒るべき僕がなぜか仲裁役になっていました。

「旦那さん優しすぎるよ。だって嫌じゃないですか? 自分の奥さんがサセ子だなんて」

「サセ子じゃない! 元サセ子だよ!」

妻が泣きながら反論しましたが、ごめん。〈元〉があってもなくてもどっちも嫌です。

「僕からいくつか聞いてもいいかな? 君が僕と結婚した理由は結局何? 若いときは陽キャの男に無責任にセックスさせて、最後は真面目な陰キャに責任取らせて結婚する、なんて話も聞こえてきたけど」

「過去にそう言ってた男がいたというだけで、私はそんなこと思ってない。私は陰キャのチー牛さんを愛しています!」

「愛してると言えば何でも許されるわけじゃない。そもそも君は僕以外にもたくさんの男に愛してるって言ってきたんじゃないの?」

「うん。でもみんな私とセックスしたがるだけだった。私はいつだって淋しくて、ただ愛してほしかっただけなのに。私はあなたを愛してる! それは淋しいからじゃない。淋しくない女に、あなたが私を変えてくれたからだよ。私は生まれ変わった。もうあの頃のサセ子だったときの私じゃない」

妻のその言葉にアカネさんも僕もさすがに心を動かされました。

「生まれ変わったというのは本当みたいね。分かった。今回一度だけあんたの味方になってあげる。旦那さん、今すぐとは言わないから、もう少し別居して反省させた上で、この子を許してあげませんか? そのあいだに私が責任持ってこの子に離婚届を書かせたり性病検査を受けさせたりしますから。もし再構築に失敗したら、旦那さんは記入済みの離婚届をさっさと提出して下さい。そうなった場合は私にも責任がありますから、貞操観念のしっかりした人を探して再婚相手候補として紹介させてもらいますよ」

僕はアカネさんの提案を受け入れて、結婚前にサセ子だった妻との再構築を決断しました。

バツイチ男性はモテると聞いたことありますが、陰キャのチー牛の僕は例外。離婚してもきっとなかなか再婚できないでしょう。

再構築に失敗しても貞操観念のしっかりした女性を探して紹介してくれる、という最後の条件が気に入ったからとはもちろん口には出せませんでした。

別居期間は一ヶ月と決めましたが、実際は十日も経たずに僕は自宅マンションに戻りました。妻が妊娠していることが判明したからです。子どもがほしかったので家を飛び出すまで毎日のように避妊しないで行為していました。身に覚えがありまくりなので、わがまま言って逃げている場合ではありません。

妻は産まれたらすぐにDNA鑑定すると申し出ました。その気持ちがあればきっと再構築はうまくいくよ。僕はそう答えました。アカネさんも涙を流して喜んでくれました。

みなさん、今まで相談に乗って下さり、ありがとうございました。もう二度と相談者としてこちらに戻ってこなくて済むように、家族三人で力を合わせて頑張って生きていきます!


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