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【プテ視点】
「おばけなんてないさ、おばけなんて嘘さ、寝ぼけた人が見間違えたらしい。おばけより怖いもの、何か知ってますか、嘘をつき毒を吐く、ニンゲンってやつさ」
プテ「なにそれ」
「え、おばけなんてないさ、のアレンジ」
プテ「へー、確かにお化けなんかより人間のが怖いよね」
「そんな当たり前のように理解出来るもんなんだ」
隣の席のクラスメイトの歌っていた歌は、だいぶ的を得た歌詞だな、と思った。まぁお化けは存在するけど。
「高橋ってオカルトとか信じる?」
プテ「おかると?」
なつ「非科学的現象って奴だね、幽霊とか妖怪とか」
プテ「いるんじゃない?」
「信じるタイプなんだ、卯紗は?」
なつ「僕も別に信じてないわけじゃないかな。」
まぁ、すぐそこに幽霊みたいなやつとか妖怪とかいるしな。これで信じないって方が変ではある。
非科学的現象、ねぇ……。
今僕の目の前に他の人には見えない人がいるのも、非科学的現象ですよね、どう考えても。
プテ「なにしてんの」
K「いや、暇だったからさ〜、ちょっと様子見」
プテ「いや、なんでその姿になる必要があるの」
K「だって教室入って色々言われるのめんどくさいじゃん」
僕の机の上に座って気だるそうに話す奏は、隣のクラスメイトを見やり、ひとつため息をついた。
K「まぁ、信じられないよね〜普通。」
プテ「話しかけないで、変な人になるから」
なつ「ふっww」
K「はぁあ?」
ぴょんっとジャンプして机から飛び降りると、隣の机に思い切り手を着く。その振動で机の上のものが少し浮いた。どんな力してんだw
「え、今なんか揺れた?」
プテ「いや?」
犯人はケラケラと楽しそうに笑い、そのまま教室を出ていった。愉快犯だ、愉快犯。気のせいかな〜、なんて話してるクラスメイトに、お化けじゃない?と茶化すなつぴょん。
「はー、存在してたまるかよ〜w」
なつ「はははっw」
プテ「案外いるかもよ〜」
若干うろたえたようにいやいや、と返してくるクラスメイトに、イタズラしたのは僕じゃないのにイタズラって楽しいな、なんて思った。
後ろから来たポン酢が僕の筆箱を手に取って掲げる。すると目の前のクラスメイトの笑顔が消え、真っ青な怯えた顔に変わった。僕の後ろを指さしながらわなわなと震える様を見て笑いが込み上げてくる。
ポン酢は筆箱を元の位置に戻して、何事も無かったかのように自分の席に戻っていった。ほんとにただイタズラしに来ただけだなw
怯えた顔を少し隠すように笑って、トイレに行ったクラスメイトを見送ると、なつぴょんが呆れたように話しかけてくる。
なつ「ほんとに、性格悪いわ〜w」
プテ「僕はなんもしてないじゃん、ポン酢だよポン酢。」
ポン酢「何がですかぁ?」
なつ「とぼけんな」
いや〜、前言撤回。いちばん怖いのは人間じゃなくてお化けだね〜。まぁ僕らはまたお化けとは違うけど。