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番外編53『貴族からの無茶振りで舞台に!?』後編
『最前列を用意してくれるなんて…あの人太っ腹だね!』
『そうだな、主様の劇をそれほど楽しみにしてくれてるんだろう。フルーレも気合いが入ってたな。』
『ふふ、主様の着るドレスなら尚更完璧に仕上げなきゃ。例の貴族も驚くと思うよ。』
『あ、暗くなった、始まるよ!』
劇が始まり、私達は舞台に目を向ける。
と、その時、例の貴族がぼそっと口を開く。
『楽しみだな、いつ怪我をするか。くくっ。』
『え……?』
『主様、今のって…。』
私の膝の上に乗るムーが怯えている。
『お姉ちゃんにこの舞台を依頼した貴族の人だよね…ベリアン……。』
『…大丈夫です。いざと言う時は我々が守ります。』
『でも、お姉ちゃんが怪我するかも…私心配だよ……。』
私は不安を抱えそのまま舞台を見続けた。
『いいかい、シンデレラ。0時の鐘が鳴り終わる前にお城から出るんだ。出ないと魔法が解けて、元の姿に戻ってしまうからね。』
『はい!ありがとうございます、魔法使いのおばあさん!』
(今のところ…ハプニングは起きてない。
始まる前にオーナーが言ってたけど…。)
舞台が始まる数分前――
『え?例の貴族が私に嫌がらせを……?』
『えぇ。どうやら貴族間の中でそう噂されてるの。くれぐれも気を付けてね。』
『分かりました。オーナーが手掛けた舞台を邪魔なんてさせません。』
『そこの綺麗なお嬢さん、私と頂けますか?』
『喜んで、王子様。』
王子様の手を取り、踊り出す。
『何あの子!王子様と踊るなんて!』
『きー!羨ましい…っ。』
『踊って頂きありがとう。君の名前は?』
『私は……。』
と、その時――。
ゴーン、ゴーン……。
0時を知らせる鐘が鳴る。
『あ…。王子様、申し訳ございません、私、帰らないと…。』
私はお城を飛び出し、階段を駆け降りる。
『あ、お待ちください!』
私は後を追いかける。
と、その時――。
ガクッ!
『え……?』
階段を降りている途中、階段の一部に穴が空いて、足がもつれた。
『っ!』
『お姉ちゃん…っ!』
『っ、主様…。』
『そのまま落ちろ、悪魔執事の主…ニヤリッ。』
『……!』
私はクルッとバク転して地面に着地する。
『嘘…っ!』
『主様…!』
『…やはり、天も私と王子様の恋を憚るのですね…。』
(アドリブ…!?)
『そんなのは100も承知です…。王子様、ごめんなさい。一時の幸せな夢の時間をありがとうございました。』
私は馬車に乗り込み、その場を去る。
『く…っ。くそ……っ。』
貴族はギリッと歯を噛み締めた。
『ぴったりだ……。やはり、あなたが…。』
ガラスの靴を履いた途端、私の身をドレスが包み込む。
『王子様…。』
『私はあの夜君に恋をした。私の妻に…なって頂けますか?』
『もちろんです……王子様…!』
うみ
20,479
私は王子様に抱きついた。
語り手『こうして…王子様とシンデレラは…末永く幸せに暮らしました。めでたしめでたし……。』
パチパチ…。
『くそ、くそ…っ!こんなはずでは……。』
『さて、お話を聞かせて頂きましょうか。』
『お、お前らは悪魔執事!』
『我々の主様を敵に回したのです。主様の執事として…許せません。』
『おや、どこかで見たことあると思ったら…。ノアール様じゃないですか…。ふふ、貴方のことはよく知っていますよ?裏社会で汚い金儲けをしてそれをグロバナー家に献上したり…。女性遊びが酷いことも…ふふ。フィンレイ様に伝えておきますね。』
『な…っ!』
(ルカス怖…。)
こうして、無事に舞台は終わった。
『何とかなってよかったわ……。』
『お疲れ様、お姉ちゃん!凄かったよ、バク転もアドリブも!』
『まぁ、現役だからね…。でも疲れたわね…。』
『お疲れ様でした、主様。お怪我などは大丈夫ですか?』
『えぇ。なんともないわ。早く屋敷で休みたいわね…。』
と、帰ろうとしたその時だった。
『あ、あの!』
『はい、何でしょうか。ヨアンさん。』
『あの、えっと……。俺、貴方に一目惚れしました!今度一緒にデートしていただけませんか!? 』
『!?』執事一同
このお話の続きはAfterstoryで!