テラーノベル
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その異様さに、学生たちはさらに恐怖を募らせた。
「先ほどの刃物は、わたくしの護衛用のものでしてね。
ちょっとうるさかったので……ついカッと来て、チョークのつもりがそれでした」
そう言って、スダはその場で一回転し、軽くジャンプする。
「安心してください、何も持ってませんよ」
どこかで聞いたことのある芸人の口調だった。
だが、誰一人笑わない。笑えるはずがなかった。
「ちなみに、みなさんの身体を調べたところ、何も持ってませんでしたが……
スマホは入っている人もいましたね。まあ、圏外だから関係ないでしょうけど」
スダはネクタイを整え、余裕の笑みを浮かべる。
そのとき。
「……あの!」
ハルキが恐る恐る手を挙げた。
「はい、ハルキくん。 そうです、発言のある方は手を挙げてくださいね。模範生ですねぇ」
スダが皮肉げに笑った。その言葉に、源喜と時雄がクスクスと笑う。
「模範生だってよ。ただの真面目くんじゃん」
「バカ真面目ってやつ」
ハルキは下唇を噛みしめたが、なんとか気を取り直し、スダに向かって話を続ける。
「……あ、あの。今夜僕らが泊まるはずだった宿には……連絡……」
緊張のせいで声が震える。その様子に、さらに冷笑する者たち。
だが、スダはハルキをじっと見つめ、にこりと笑った。
「ああ、大丈夫ですよ。もう連絡はしてあります」
「……は、はい……よかったです。でも、当日キャンセルは全額にプラスアルファで……」
ハルキは安どしつつも、キャンセル料のことが気になっていた。
「おいハルキ、キャンセル料と足が出た分はお前支払いだよな?」
時雄が軽く笑いながら言う。
「えっ……?」
「だってバイト掛け持ちしてるって言ってたじゃん。それくらい払えるよね? あ、でも親への仕送りだっけ? 無理かぁ……はぁ」
ハルキはあぜんとする。
そんな中、スダが再び手を叩いた。
「大丈夫です。 当日キャンセルでしたが、キャンセル料は払わなくてもいいんです」
その言葉に、教室内は一気に安どの空気に包まれた。
だが……。
「手荒な真似をしましたが……山火事に見せかけて、山の中の旅館、今大炎上してますから」
「……え?」
教室の中は完全に静まり返った。
数秒の沈黙のあと、誰かが震える声でつぶやく。
「……え……じょう、だん……ですよね?」
スダは、ふっと微笑みながら、肩をすくめる。
「冗談を言う場面に見えますか?」
誰も、言葉を発することができなかった。
祥子の死に続き、旅館までもが跡形もなく消された。
それはつまりもう、帰る場所がないということだった。
教室には、冷たく、絶望的な沈黙が流れ続けた。
#ミステリー
鬼霧宗作
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さなめ
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江藤ルミエール
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コメント
1件
読了📖!!この第11話、めっちゃ怖いよ……😭💦 スダ先生の「旅館もう燃えてます」って平然と言い放つ感じ、狂気通り越してて震えた……。ハルキくんが真面目にキャンセル料心配してるのに、クラスメイトが冷たくて胸がギュッなったよ。でも、もう帰る場所ないって絶望がじわじわくる構成、エモすぎる……!次が気になって仕方ないよ〜🔥